『こどもかいぎ』の
3つの効用


映画『こどもかいぎ』で、子どもたちが自由に発言する姿を見てきたことで、『こどもかいぎ』には、特大の可能性があることに気づきました。ここでは『こどもかいぎ』の3つの効用をご紹介します。

1. 子どもの中に多様な力を伸ばす可能性

2. 子どもを取り巻く様々な問題を改善する可能性

3. 将来的な社会問題の予防になる可能性



1. 子どもの中に多様な力を伸ばす可能性


子どもたちは「対話」という「心のスキンシップ」を重ねることによって、「安心して話す」ことを覚え、「自分の気持ちを言葉にする」という術を身につけ、他人との違いをポジティブに認識し、人とのコミュニケーションを楽しめるようになります。

自分の考えを言葉にし、お友達の意見に耳を傾ける経験の積み重ねによって、聞く、話すなどのコミュニケーション力だけでなく、理解力、集中力、思考力、表現力、発想力、想像力、創造力など、子どもたちの中に眠っていた様々な力が芽生えるきっかけとなります。

同じ考えを持つお友達の話を聞くことで共感性が育まれるだけでなく、「自分とは違う考えがあるんだ」という気づきを得ることが、多様性を育てることにもつながります。


一緒にお話をすることで、「自分は1人じゃないんだ」という寂しさや孤独感の軽減や、仲間意識が芽生えるきっかけとなったり、「何でも話して良い」、「何を話しても受け入れてもらえる」という安心感は、自己肯定感につながるだけでなく、家庭や保育園、幼稚園、学校などとは異なる「第二・第三の居場所」にもなりえます。


このように、『こどもかいぎ』は子どもの中に多様な力を伸ばす可能性があるのです。

詳しくは、「「こどもかいぎ」で伸びる10の力」もご覧ください。




2. 子どもを取り巻く様々な問題を改善する可能性


虐待、いじめ、貧困、うつ、自殺・・・
今この瞬間も、どこかで苦しんでいる子どもたちがいます。

このような子どもを取り巻く問題を考える時、

「言葉でうまく気持ちを伝えられない」
「周りに助けを求められない」
「相談できない」

という課題
が共通して出てきます。


しかし、

『こどもかいぎ』をする機会が日常的にあれば、自分の「気持ちを言葉にする力」が伸びていきますし、自分のことを話す習慣ができることで、相談をすることも容易になり、SOSもキャッチしやすくなります。

「助けてほしい」を「見える化」できれば、改善できる子どものリアルはたくさんあるはず
です。




3. 将来的な社会問題の予防になる可能性


「ことば」で伝えられないと、暴力もしくは暴言に訴えてしまうことが、残念ながらよくあります……よね。「ことば」で伝えられないと、ストレスが溜まり、孤独感を覚えやすくもなります。

しかし、「ことば」で説明できるようになると、互いに分かりあえることが増え、精神的にも落ち着きやすくなり、争いが少なくなります。


子どもの頃から話を聞いてもらえる場所や対話をする習慣があることで、問題解決において「話し合う癖」が付くため、暴力や暴言に頼ることが減ることも予想されます。『こどもかいぎ』の積み重ねによって、将来的には児童虐待やDV、犯罪、暴力、パワハラなどのハラスメントを減らすことも、きっと出来るでしょう。

そしてそれは、戦争のない平和な社会の実現に近づくはずです。


コロナ禍で対話の場が減っているからこそ、
対話ができない大人が戦争を起こしている今だからこそ、

子どもたちにもっと「対話の場」を作っていきたい。


「こどもかいぎ」を撮り終えたいま、私たちは、その思いをあらためて感じています。


現在は非常に不確実な時代です。子どもたちの未来はますます正解の見えない世の中になっていくとも思われます。そんな社会においては、状況に応じて、自ら考え、周りの人たちと一緒に、より良い道を作っていくことが求められます。そのため必要なこと。それは、小さい頃からの発言と対話の習慣です。


そのためにも、私たち大人がもっと対話をしないといけないのかもしれません。


大人の皆さん、話し合っていますか?


その他、『こどもかいぎ』について&プロダクションノートはこちら


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