今週月曜日、鳥取県米子にある不妊治療のクリニック
「ミオ・ファティリティ・クリニック」に取材に行ってきました。
東京から飛行機で約1時間、空港から約30分のところにある
クリニックですが、まず、到着してびっくり。
広〜い駐車場に車がびっしりなのです。
聞くと、日本全国はもちろん、カナダやイギリスからも患者さんが
やってくる、とのこと。
なぜ、こんなに患者さんが集まってくるのか!?
医院長の見尾先生は、
・ 現在主流となっている、より安全に確実に採卵をする方法である
「経膣超音波採卵」の開発者
・ 無精子症(精液中に精子が存在しない状態)の男性のカップルの
体外受精/出産に初めて成功
・ シネマトグラフィという、人間の精子と卵子が受精をして
分裂していく様子を初めて映像として撮影することに成功
などなど、生殖医療の最先端をいく産婦人科のドクター。
こう見ると、やはり、最先端の医療を受け、なんとかして赤ちゃんを!
という方たちが集まってくるのか、と思わせるのですが。。。。
実は、それだけではありませんでした。
それは、見尾先生の、 "生命の誕生"に対する考え方にありました。
「不妊治療」というと、身体的にも精神的にも、そして金銭的にも
負担がかかるもの。毎月トライしても「今月もだめでした」という言葉を
何度となく聞かされることで、まるで人間性を否定されるような気分に
さえなる女性も多くいらっしゃいます。
ところが、このクリニックでは、「不妊」という言葉を用いません。
赤ちゃんができない、ということを「異常」や「病気」だと考えず、
「個性」と考えているのです。
妊娠の成立はものすごく複雑で、奇跡が奇跡をよぶような
確率の低いできごとであって、赤ちゃんはまず「できないのが当たり前」。
だからこそ、生命の誕生はこの上なく尊いものであり、
赤ちゃんを授かりたい、という事を「夢」と捉えているのです。
見尾保幸先生
やはり「最先端の技術を使って赤ちゃんをつくってくださいっ!」
というご夫婦が悩んで末に訪れる事が多くあるようなのですが、
見尾先生は「作ってください」ではなく、「一緒に夢を実現しましょう!」
と説くのです。
そして、せっかく頑張るのだから、楽しんでワクワクしながら
やりましょう、と。
他人任せな方よりも、前向きな方の方が授かる確率が高いのも
実際のようです。
それでも赤ちゃんを授からない方がいらっしゃるのが現実ですが、
夢に向かって試みた数々の努力が、人間を豊かにし、人に対する
優しさや物事に対する有り難みが分かるようになる。
もし授からなかったとしても、パートナーと2人の生活もとても充実
したものになるのではないか、とおっしゃっていました。
まだまだ未知の世界である命の誕生。
私たちの身体の中で起こっている生命の誕生について、
分かっていることは、ほんの数パーセントだとおっしゃいます。
先生は日々の治療だけでなく、常に先端の医療現場で、寝る間を
惜しんで研究をされていますが、研究をすればするほど、
生命の神秘を感じるのだそうです。
そして、
赤ちゃんを授かりたいという願う人たちをできるだけ助けたい、
という気持ちと、自分は神の領域に入り込んでしまっているのでは
ないか、と言う気持ちが交差して、日々葛藤し、悩み、
それでも前を向いて患者さんと接しているとおっしゃっていました。
インタビューを終えて。一緒に取材に行った大葉ナナコさんも一緒に。
顕微授精の現場や、採卵の手術の様子も見させていただきましたが、
やっぱり命が誕生することって、本当に奇跡なんだと思わされます。
(精子が卵子にミョーーン!っと入って行く瞬間は、あっという間
なのですが、ここで命が誕生するか!と思うと、スゴいです。)
完全武装をして、培養室にも潜入させていただきました。
受精卵が育ちやすいように、少し暗くて、温かいお部屋でした。
顕微授精をしている様子です。
エンブリオロジスト(胚培養士)と呼ばれる、採取した精子や卵子の凍結保存や培養、顕微授精、受精卵の培養、などなどを専門に行う、スペシャリストです。
こちらが、卵子が大切に凍結されているタンク(?)です。
採卵のオペの様子も撮影させていただきました。
終わった後、先生が「何度手術をさせてもらっても、毎回背中に冷や汗をかいて緊張しながら、責任を背負いながらやっているんだ。」とおっしゃっていたのが、とても印象的でした。
まだ取材した内容の10%くらいしかお伝えできていない気がしますが、
長くなってしまったので、続きはまた近いうちにご報告します!
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