本作は「うまれる」映画ですが、「産まない決断」をし、広い意味で世の中に「うまれる」ことを創り出す女性の輝きもお届けしたいと思っています。
「不妊」
という言葉が注目を浴びつつあります。
2年間、自然に妊娠しないと「不妊」と呼ばれ、現在の日本には
不妊に悩む方が約300万人と言われ、実際に不妊治療に取り組む方々は約40万人
と言われています。
なぜ、いま「不妊」がテーマになるのでしょう?
これは80年代から進んだ女性の社会進出にまでさかのぼります。
女性が働く事に目覚め、経済的に自立できる素晴らしい権利を獲得した一方、晩婚化が顕著になってきました。
結婚が遅くなると、それだけ妊娠・出産が遅くなる。
しかし、
女性の身体は年齢を重なれば重ねるほど、妊娠しにくくなる、流産や障がい児を産む確率が高まる、という事実は、どこまで社会的にシェアされているでしょうか?
「そんなの聞いてないよ」
という女性は多くいらっしゃると思います。
「仕事が一段落ついたから、そろそろ子供でも。。。」
と思ったものの、
「あれ?なかなか授からないなぁ。。。」
いう方が増えているのです。
国を批判するのは簡単です。
性教育は「産ませない」ためのものでしかなく、「産む」ための教育はなされた事がない、と。
でも、女性が産むという事は、以前は「当然の事」とされ、わざわざ教育するものではないと思われてきました。
国だって、まさかこんなに悩む方々がいらっしゃるとは、そこまで想像するのは難しかったのかなと思います。
「不妊」というコンセプトがまだ社会的に認知されていないので、悩みを抱える方々は肩身の狭い思いをされているかもしれません。
「女性として失格なんじゃないか?」
「人間として否定されている気がする。。。」
このような悩みを多くの方が抱えていらっしゃるようです。
すごく辛いです。
「不妊は個性」
だと言う、鳥取県ミオ・ファティリティ・クリニックの見尾院長のお考えに、私たちは共感しています。
高くジャンプ出来る人がいれば出来ない人もいる、高くジャンプ出来なくても計算は速い人もいる。
早く走れる人がいれば走れない人もいる、走れなくてもすごく人に気を使える人もいる。
同じように、子どもがなかなかできない人もいる。
長年、不妊治療に取り組んだものの、どうしても授からず、子どものいない人生を選択したけれど、別の形で「うまれる」ことを世の中に提供していきたいと取り組んでいる女性たちもいます。
本作では、産まない決断、不妊についても、ポジティブに捉えていきたいと思います。
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