代理母と代理出産について

センシティブな話題なので、いろいろと誤解を与えてしまうかもしれませんが、、、、暖かいお気持ちで読んでくださいっ!!

代理出産で子供を得た女性(27)と、代理母となった実母(53)が昨日25日、東京都内で会見されました。

「後の人のためにも制度整備を」と、心境を語って代理出産への理解と支援を求められています。
これまで日本における代理出産は8例ほどありましたが、顔を公表するのは初めて。
女性の代理出産問題に対する真摯なお気持ちが伝わります。

女性は一歳のとき腫瘍で子宮を摘出したため、子供を産めない身体に。
それでも「子供が欲しい」という思いは消えず、長野県の諏訪マタニティークリニック(根津八紘院長)と実の母親の助けを借りての出産となったようです。

代理出産の仕組みはあまり馴染みがないと思いますので、簡単に解説します。

  1. 夫に精子を提供してもらう。
  2. 手術によって妻の卵子を摘出する。
  3. 顕微鏡内で夫婦の精子と卵子を出会わせて「体外受精」する。
  4. 「体外受精」によって出来た「受精卵」を実の母親の子宮に入れる。
  5. 無事、母親の子宮内に着床すれば、妊娠。
  6. 10ヶ月の妊娠期間を経て、出産する。

基本的にはこの6つのプロセスですが、第三者に卵子や精子を提供してもらったりする場合もあるので、それぞれのケースによって違いはあるようです。

代理出産が「問題」として話題になるのは以下のような事が考えられるからのようです。

  1. 母親に危険が及ぶ

    一昔前は妊娠・出産が女性の主な死亡原因であったほど、本来、お産は人体に負担を強い、命の危険にさらされる事が実は多々あります。
    現在は出産によって亡くなられる女性は年間約40人になりましたが、1950年頃は年間約4000人の女性がお産によって亡くなられていました(それでも年間30-40人は亡くなられているんです)。
    年齢を重ねれば重ねるほど、お産は危険になりますので、50-60歳頃だと思われる「実の母」が出産する事は、非常に危険であるとみなされているようです。
  2. 営利目的の代理出産が増える可能性

    アメリカでは既に問題になっていますが、お腹を貸す事で経済的利益を得る女性が少なからずいるそうなのです。「それってどうなの???」という倫理的問題が提起されているようです。
  3. 代理出産は神の領域を冒している

    「子供を産む事が出来ないのは、そういう身体であるわけで、ある意味、自然な事である」という事で、「そこまでして産むのは人間のエゴだ」という意見もあるようです。

こう考えると、

【子供を授かりたいと考えること、そして実際に行動を起こす事は、「エゴ」なのか、果たして「本能」なのか?】

という問いが投げかけられますよね。

科学や医療によって子供を授かる事が「エゴ」なのであれば、帝王切開や麻酔分娩など医学の力を借りた出産はどうなるのか?

医学の力によって、延命をするという事は「エゴ」でないのか?

などなど、様々な疑問が呈せられそうですね。
うーん。。。難しい。。。

子供を授かりたいというお気持ちも本当に分かるし、代理出産によって生じるであろう問題があるだろうということも分かるし。。。

いずれにしろ、今回、代理出産によって子供を授かった飯島夏美さん(仮名)には心から「おめでとうございます」と言いたいです。

これが今の率直な気持ちです。


(企画/監督:豪田トモ)

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