以前、上映会を開催していただいた方で、
長年、不妊治療にがんばられている方より、
こんなメールをいただきました。
「"誰かの小さなドラマが、知らない誰かの生きる力になる"ということを
私自身が「うまれる」から教えてもらいましたから(^^)」
というご理解のもと、
ご本人の許可をいただいて皆さまとシェアさせていただきます。
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実は私、ちょうど上映会を開催した頃に、妊娠が判明しました。
奇跡の自然妊娠でした。
やっぱり映画『うまれる』には奇跡のチカラがあるなぁと感動していました。
6週、7週では、診察を受けても赤ちゃんの袋しか見えませんでした。
いよいよ心拍が確認できるかという診察の日は、主人と一緒に診察室へ入りました。
しかし先生の口から聞こえたのは、
「おめでとう」ではなく、
「心拍が確認できません。
妊娠は継続しているので、子宮外妊娠の可能性が極めて高い」
という言葉でした。
そして8週に入り大きな病院へ診察に行きました。
たぶんお腹の赤ちゃんと最後のお出かけになると思うと、
できるだけ楽しい思い出を持っていって欲しくて、
私はいつもより可愛い格好をして、ゆっくり歩いて病院にたどり着きました。
そして診察で、子宮ではなく卵管で心拍が確認され、
私は帰宅することも許されず緊急手術となりました。
病院に駆けつけた父が、執刀する先生に聞きました。
「卵管で生きている命を、子宮に移すことは出来ないのですか?」
しかしそれは、現代の医学を持ってしても無理なことです。
そして超音波がある時代だからこそ卵管妊娠の診断がつき、
私は大出血で命を落とさずにすみました。
とはいえ、赤ちゃんが大きく育っていたので卵管ごと切除することになりました。
手術後、全身麻酔が切れて一番に思ったことは、
卵管に温かく包まれたまま取り出してあげられて良かった...
という気持ちでした。
そして、短い期間ではあったけれど、
私のお腹に来てくれて本当にうれしかったと思いました。
入院中は気持ちも混乱したり悲しんだり無気力になったりしましたが、
映画に出てきたいろんな言葉が私を励ましてくれました。
特に「天国郵便局からのお便り」で、もう一度元気になる決意ができました。
主人にも、鮫島先生の書かれた「天国郵便局からのお便り」をメールで送りました。
すると主人が「空に帰った赤ちゃんへのお返事」を書いて私にメールで送ってくれました。
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赤ちゃんへ
お手紙ありがとう。
短い時間だったかもしれませんが、私たち3人には大切な時間でしたね。
お母さんは大事に大事に最後まであなたを守ってくれましたよ。
喜びを与えてくれて本当にありがとう。
いつか天国で会えるといいですね。
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と書いてありました。
主人とは、同じ喜びと悲しみを分かち合ったということがよくわかりました。
同じ悲しみを乗り越え、主人との絆はより一層強くなりました。
「子育ては自分育て」と聞きますが、
「不妊治療は夫婦育て」だなと感じています。
今は心も体も回復し、本当にうれしかった妊娠期間を懐かしく思い出しつつ、
毎日を楽しく過ごしています。
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