● 安らかで尊厳に満ちた死を迎えたい
「ホスピス」
という言葉を聞いた事はありますか?
僕はこれまで「何となく聞いた事はあるけど、詳しくは知らない」
という感じでした。
実は『うまれる』という映画は、元々は
★ 人が産まれるまで
と平行して
★ 人が亡くなるまで
を描く企画としてスタートしました。
産まれること、
生きること、
死ぬことは、
全く別物のようでいて、
螺旋階段のように密接につながっています。
しかし、妊娠・出産周りの世界があまりにも広く深かったため、
「死」という側面は、死産というテーマ、そして虎ちゃんの
ストーリーに転化させていただく事で、「いつか別の作品で」
という事になりました。
そのような背景もあり、現在、次回作の候補の一つとして、
以前から注目していたホスピスの取材を
進めさせていただいております。
ホスピスとは、
・(原則的には)【余命が6ヶ月以内と推定】された
・末期ガン患者やエイズ患者の方へ
・苦痛の緩和を中心とする治療・ケアを
・病院・施設、または在宅で行う医療
のことを言います。
残念ながら、現代の医療ではもう助からないという状態に
なってしまったものの、
最後の時までを少しでも快適に生き、
安らかで尊厳に満ちた死を迎えたい、
と望む患者さんをサポートされています。
特にガンは、6割の方が強い痛みを感じ、
生活に支障をきたすもの。
「緩和ケア」は人間的生活を営む上で、
今後、さらに注目される医療と言えるでしょう。
● 着実に増えているホスピス施設
日本のホスピスの歴史はまだとても浅いと言えます。
1973年にホスピスの原型となるものができ、
1981年に浜松の聖隷三方原病院で初めて緩和ケア病棟が開設。
そして、完全独立型としてのホスピスが初めて完成したのは、
1993年でした。
僕が産まれたのが1973年で、
小学校に上がったのが1980年。
そして大学に入ったのが1992年ですから、
自身の成長とホスピスの発展とを、何だか重ねてしまいます(笑)。
ホスピスは10年前には10カ所程度しかなかったようですが、
現在は全国に約200カ所ありますので、
少しずつ、日本社会に受け入れられつつあるようです。
● 家で看取る
今は、ほとんどの方が病院で亡くなる時代ですが、
今後は、在宅を中心に終末期医療が広がっていかざるをえない
状況にもあるようです。
現在の年間の死亡者数は約120万人ですが、
団塊世代の方々が老いる年齢になると、
年間150万人以上の「多死時代」に
なります。
病院のベッドがどんどん足りなくなってしまう事は明らかで、
終末期の患者さんは、
救急車で搬送されたとしても受け入れが困難になる
可能性がとても高くなってしまうです。
数年前に出産受け入れ施設がなく「たらい回し」という言葉が
メディアをにぎわせたのと同じ状況が起きるとか。。。
そこで注目されるのが「家で看取る」ということ。
僕の両親は1946~47年生まれの団塊世代。
全く人ごとではありません。
近々、
在宅ケアをされているホスピスの先生への取材をご報告します。
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