※ ビハーラ僧の山本さんと。とても真面目で熱心な方。
京都の仏教的終末医療施設「あそかビハーラ・クリニック」に取材させていただいて、
僕がとっても驚いた事があります。
※ 「ビハーラ」とは仏教的精神によって運営されている終末期施設で、
言わば「仏教版ホスピス」。
※ 当施設には浄土真宗本願寺派の僧侶(ビハーラ僧)が3人常駐しています。
それは、常駐されている
【ビハーラ僧の方々が掃除や草むしりをしている】
んです。
不思議に思って聞いてみますと、
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掃除や草むしりをする事で頻繁に患者さんと接する機会が出来るため、
無理なく信頼関係を構築でき、その中で、会話とサポートが自然発生する
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からなのだそうです。
※ ビハーラ僧やボランティアの方々の手入れによって庭は常に美しく保たれています。
キリスト教文化の国々と違って、日本人はやっぱりシャイ。
初めて会う方に心の悩みを話すのは、
気が引けてしまう事が多いようですが、
掃除や草むしりといった日々の生活をともにしながら、
身の回りの介助など生活全般に少しずつ関わっていく事で、
「実はね、、、」
とお話をされるようになる事が多いようです。
日本的終末期施設の「美意識」がここにあります。
※ 当施設が患者さんとの対話によって作られている良い例がこの鏡のカーテン。患者さんによっては「自分の姿を見たくない」という人もいらっしゃるため、このカーテンが追加されたそうです。
ビハーラ僧の「守備範囲」は幅広いです。
場合によっては、
・患者さんのお子さんに電話をして会いに来ていただくようお願いしたり、
・代筆して手紙を書いたり、
・ビデオ・レターを作ったり、
・小さなお子さんをお連れになられた場合は、ビハーラ僧がお子さんと遊び、その間にご両親との時間を作っていただいたり、
する事もあります。
これは通常の医療施設ではあり得ない!!
「ビハーラ」という日本的終末施設の大いなる可能性を感じます。
とにかく、
【出来る事は何でも「させていただく」という考え方が徹底されている】
んです。
中には
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会話のできない状態の患者さんもいらっしゃいますが、
「何も出来る事はない」と席を立つのではなく、
「そばにいて手を握る事は出来る」と横に座られる事を
選択するのが、ここのビハーラ僧の方々の素晴らしさ
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です。
元々、掃除などは僧侶の方々の役割ではなかったそうですが、
自分たちに何が出来るのだろう、真剣に考え、トライされる中で、
このような形になっていったそうです。
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本で書かれている事や人に聞いた事をやるのではなく、
今までになかったものを自分たちで考えて
新たに生み出して行く「気概」を感じました。============================================
クリエイターの端くれとしても、大きな刺激になりました。
※ あそかビハーラ・クリニックに関するブログ
★ 【取材】日本的な終末期施設を目指す、あそかビハーラ・クリニック
★ 【取材】「嫌な日はとても多かったがいらん日は1日もなかった」
監督・父
豪田トモ
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