「伝える」のではなく「伝わる」作品を作ること

『うまれる』を作っていた時に僕が気をつけていた事の一つが、

「伝えるのではなく、伝わる」こと。

「伝える」という行為は、
主語が自分なので、利己的で身勝手なものになってしまう
危険性を孕んでいるかもって思っています。

僕は親に愛されていない・認められていないと
長年思って来た人生を歩んでいるんですが(今では仲良くしています)、

たぶん、親は「愛情を伝えていた」んです。

でも、僕には「伝わっていなかった」。

この経験から、僕は「伝える」事よりも「伝わる」事に

こだわるようになりました。

映画『うまれる』の製作時には、公開の2年前にHPを公開して、
様々な立場の方々とコミュニケーションを図ったり、
完成前に100名近くの方々にテスト試写をしてご意見を伺ったりと、

これまで日本の映画界で非慣例的だった事に熱心に取り組んだのは、
おそらく、そういう理由からなのかな、と思います。

「伝える」のと「伝わる」のと、どっちが難しいかと言えば、
やっぱり後者。

「伝える」のは一人称ですけれど、
「伝わる」のは関係性の中での結果になりますので、
良い難しい作業になります。

個人的には
【マスターベーションとセックスくらいの違い】かなと思っています(笑)。

自分だけ満足すればいいのか、
相手も満足してもらう事で自分が幸せを感じられるのか。

ただ、「アーティスト」と呼ばれる方々は、基本的に
「伝わろうが伝わらなかろうが、伝える人」というのが定説のようなので、
僕の考え方に反発や違和感を持つ方もいらっしゃるかなとも思います。

そういう意味では僕は「アーティスト」ではないのかなと思うんですが、
いずれにしろ、誰に何と言われようが、

僕は「伝える」事よりも「伝わる」事にこだわっていきたいと思っています。

いよいよ次回作の撮影もスタートしました。

今回も皆さまに色々とご意見を伺ったり、
ご協力をお願いする機会があるかと思いますが、

何卒お付き合いをよろしくお願いいたしますっ!!

★ 次回作の撮影にご協力いただける方を募集いたしております ★
http://www.umareru.jp/series.html

監督・父
豪田トモ

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