妊娠23週の頃に「羊水がない」と診断され、大学病院で精密検査を受けました。
診断結果は、ポッター症候群。
赤ちゃんの腎臓が機能しておらず、羊水が作れない。
その結果、肺が未発達で、産まれても生きられない、
とのことでした。
また、ポッター症候群の場合、胎内死してしまうことも多いことや、
羊水がないため赤ちゃんには、奇形が出る可能性もあるということも、告げられました。
私の場合、その時点で妊娠27週でしたので、
先生もこのまま経過を診ていくしかないという判断でした。
先のない命とどう向き合っていけばいいのかわからない時期もありましたが、
毎日元気な胎動を感じ、
この子を産んで、一秒でもこの世に生きてもらって、
私たちの戸籍に載せるということが、私たちの目標になりました。
無事、帝王切開にて38週で生まれてきてくれました。
先生のお話では、赤ちゃんは生まれても泣き声をあげることはできないし、
生きられても10分、15分くらいじゃないかとのことでした。
赤ちゃんが生まれてすぐ、小児科の先生が私に赤ちゃん見せてくれました。
小児科の先生も一応、赤ちゃんを診察してくれましたが、やはり予後不良とのこと。
でも、赤ちゃんは、私の腕に抱かれると、弱々しいながらも泣き声をあげました。
どうしても、赤ちゃんが生きている間に、主人や家族に会わせたかったので、
赤ちゃんを主人たちのところへ連れて行ってもらいました。
きっと次に抱っこするときは、もう息を引き取っているだろうと思いながら、
赤ちゃんを見送りました。
帝王切開の処置にだいぶ時間がかかり、私が病室に戻ったのは、
出産してから2時間ほどしてからでした。
意識が朦朧とする中、主人が赤ちゃんを抱っこしてきて、
『頑張ってママのこと待ってたよ』
って赤ちゃんを私の腕に抱かせてくれました。
それから程なく、天国に旅立っていきました。
妊娠中、お腹が張ったり、痛くなったりというトラブルも全くなく、
臨月まで持たないと言われながらも生まれ、
10分、15分しか持たないと言われながらも、2時間も頑張った
親孝行な息子に会えて、とても幸せです。
私たちの目標だった、戸籍に載せるということもできましたし、
悲しみは消えることはありませんが、不思議な達成感を感じています。
またいつか私たちのところに帰ってきてくれると信じ、
前向きに頑張っていこうと思います。
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映画『うまれる』の体験談より
http://www.umareru.jp/experience/25-all-comment-t.html
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