千葉市の子育て政策の大きな課題の一つが
【待機児童を減らす】という事。
それに向けて、
35歳で二人のお子さんの父親でもある熊谷俊人(くまがい・としひと)市長が
取り組んでいる事は、なかなか参考になりますので、
少しご紹介させていただきます。
千葉市では「待機児童解消に向けたアクションプラン2010」に基づき、
2012年までに保育所を16カ所新設し、906人の定員を拡大したそうですが、
その他に注目したい点としては、
【◎ 「子ども未来局」という部署の創設】。
待機児童問題は、平たく言えば、
子どもを預けたいママと
子どもを預けられる市区町村の施設・予算の
アンバランスさ
にあると言えそうですが、
一方、
施設がない事はないのだけれど、
仕組み的な問題によって
=========================================
待機児童解消に妨げになっているのが、
「文科省の管轄である幼稚園」と、
「厚労省の管轄である保育園」の連携が取りにくい事
=========================================
が一つとも言われています
(これは国も問題を認識しているので、数年後には解消されるかもしれません)。
そこで
===================================
千葉市では、「子ども未来局」を作り、
幼稚園と保育園を同じ管轄下に置きました。
===================================
これによって、
【幼稚園が終わった後の時間帯に子どもを預かる体制作りが急速に進んだ】
他、子育てに関する様々な施策と決定を一元化する事が出来、
待機児童問題の解消に向けて大きな一歩を踏み出す事になったそうです。
【◎ 保育ママ・保育ルームの活用】
熊谷市長が
====================================
待機児童問題の解消において気をつけたいのは、
「箱ものをたくさん作らない」事
====================================
だとおっしゃっていました。
待機児童問題を解消するのに一番手っ取り早いのは、
保育園をたくさん作ればいいわけなのですが、
=====================================
あまり作りすぎると、工事やメンテナンスなどの
費用(税金)がかかる上、少子化の現在、
作った保育園を10-20年と使用しない可能性
=====================================
があります。
そこで千葉市では、保育所の新設と同時に、
===============================
家庭的保育者3人が1グループとなり、
自宅などで子どもの保育を行う
===============================
など(預かる保育者は全員保育士でなくても良く、
保育士は3人に1人の割合で良い)、
通称「保育ママ」「保育ルーム」の活用を推進しています。
これによってベースの底上げと同時に、
大規模な投資を回避する方法を選択しています。
これら様々な施策によって、2012年春の時点で
【待機児童数は約60%減少】
したそうです。
今年はどのような結果になっているのか楽しみですね。
千葉市では熊谷市長を中心に、
待機児童の改善に向けて全力投球されていますが、
何もすべてのママに働けと言っているわけではなく、
あらかじめ
「どのくらいのママが保育所を活用したいと思っているか?」
というアンケート調査を実施した上で、
必要と思われる数を目標値としている事を強調されていらっしゃいましたが、
さらに熊谷市長が凄いのが、
目標を「待機児童ゼロ」としていない事。
=================================================
待機児童が減る事によって、「千葉市に住めば働きやすくなる」
と若い家族が転入し、それによってまた待機児童が増えるという
「イタチごっこ」が「より良い状態」と考えている
=================================================
のです。
先の先を読む、
熊谷市長はお若いけれど、しっかりとしたビジョンを持った方だなぁと感じます。
※ 千葉市・熊谷市長に関するブログはこちら
★ 千葉市の驚きの子育て政策: 三世代同居に補助金! ★ イクメン市長のイクメン手帳
監督・父
豪田トモ
※ ご注意事項
市長は政治家であるので、
当然の事ながら、子育て支援だけでなく、様々な仕事があります。
おそらく、すべての政策を理想的に実行する事は難しいと思いますし、
中には大きく反対したい政策もあるかもしれませんが、
1つダメだから全部ダメ、なのではなく、
良い事は良い、という観点から今回のお話をご紹介させていただきました。
もし宜しければ、皆さまがお住まいの地域でも「千葉市ではこういう事をやっているみたいですよ」とご紹介いただければ、何かが前進するかもしれません。
ただし、政治家はスキャンダル的な要素と無縁ではいられない職業ですので、
いつ何が起こるかは分かりませんが、
それとこれとは別個の「政策」として捉えたいと思っています。
ちなみに、僕は千葉市に住んでいないので、
市長と利害関係は全くありません。
コメントする