愛する人を亡くされた方に言ってはいけない言葉

以前、「子どもを亡くされた方に言ってはいけない言葉(http://www.umareru.jp/blog/2013/01/post-894.html)」をまとめさせていただきましたが、
4月1日に義父を亡くし、

様々な方が

義母や妻を慰めようとして、
悪気は全くないのに、

かえって傷つけてしまっていたり、
怒りを感じさせてしまったりしていた様子を見ていたので、

改めてまとめさせていただこうと思いました。

参考になれば、幸いです。

※ 「子どもを亡くされた方に言ってはいけない言葉(http://www.umareru.jp/blog/2013/01/post-894.html)」と重なる点が多くありますのでご了承くださいませ。

※ もちろん、人それぞれ異なる点もありますのでご了承ください。

< 愛する人を亡くされた方に言ってはいけない言葉 >

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1. 「元気出してね」、「がんばってね」、「しっかりしてね」
(励ましの言葉)
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愛する人を亡くして元気を出せるわけがありませんよね。
当然、がんばれませんし、しっかりも出来ません。

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2. 「意外と大丈夫そうだね」、「元気になったみたいだね」
「もう◎年(◎ヶ月)経ったじゃない」、「切り替えが早いね」
(悲しみの過小評価)
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大丈夫ではないし、元気になったわけではなく、
御迷惑をおかけしないよう、必死に大丈夫そうに
しているだけなのです。

愛する人を亡くす等で強い悲しみ・苦しみを体験した方が、
日常生活に戻るまでの道のりを「グリーフ・プロセス」と言いますが、

人によって、早くて半年、平均的に1年、長い方で3年とも言われますが、
これは「日常生活に戻る」事を意味するだけで、

悲しみが無くなるわけではないのです。

愛する人を亡くされた悲しみは、年月に関わらず、
一生消えない、そのくらい重いものだという事を、
周りの人間は理解した方がよい

ようです。

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3. 「そんなに悲しまないで」「そんなに泣かないで」
(悲しみの拒絶)
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愛する人を亡くした時というのは、
おそらく人生で最も悲しい時。

悲しまずに、泣かずにいられないですよね。

そんな時に「悲しまないで」「泣かないで」と言われると、

「自分を受け止めてもらえていない」

という感覚になる時があるようです。

また、
悲しみから立ち直る上で、「しっかりと泣いておく」
というのは心理学的にもとても大切な事のようですので、

万が一、こちらが圧倒されたとしても、
「泣かせてあげる強さ」を持てる事が理想的なようです。

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4. 「もう忘れたほうがいいよ」、「時間が忘れさせてくれるよ」
(当事者本意でない未来志向)
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愛する人が亡くなったことを忘れられるわけがありませんよね。
しばらくの間は、次の事や未来の事を考える余裕もありません。

周囲が「早く前向きになってほしい」と思うのは優しさの一つだと思いますが、
残念ながら、ほとんどご本人には届きません。

当人にとっては、

以前よりも長くなった一日を過ごす事に
多大なエネルギーを使っています

ので、
それを「前向き」と受け止めてあげた方が良いのかなと思います。

ご本人のペースというものがありますので、
例え、告別式から数ヶ月・数年経っていても、

「前向き発言」は控えてあげた方が、
ありがたいようです。

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5. 「神さまは乗り越えられない試練を与えないって言うよ」
「何か意味があると思う」
(当事者本意でないポジティブ思考)
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この言葉は告別式から半年くらい経った後で、
相手との距離が非常に近い人が言う場合には
受け入れられる時もあるようですが、

愛する人を亡くされた直後には、
どうがんばってもポジティブになれませんし、
「上から目線」に感じられる事もあるようですので、
控えた方が良いようです。

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6. 「悲しいのはあなただけじゃない」、「もっとつらい人がいる」
「うちも最近ペットを亡くした」
(当事者本意でない比較論)
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亡くなった人の存在、そして悲しんでいる自分の存在を
否定されるような気持ちになるようです。

もちろん、ワンちゃん、ニャンちゃんも家族の一員ですが、
死を比較される事に関して、良い思いをされない方は
多くいらっしゃるようです。

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7. 「なんで死んだの?」 「どうして?」
(答えのでない質問)
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周りの人間にとっても、ショックのあまり「どうして〜!?」と
言いたくなりますし、「死因を知りたい」という気持ちは
強くあると思いますが、

ご本人が毎回、

何人もの方々に

死因を説明しなきゃいけないエネルギー、

そして話すたびに嫌な事を思い出さなければならない

事を考えると、
控えた方が良いようです。

また、

「なぜ愛する人が亡くならなければならなかったのか」は、
病名や状況に関わらず、

遺されたご本人が一番、知りたいと思っても、
答えの出ない問い

なのです。

死因については、
悲しまれている方からは聞かず、
葬儀社やご友人など、一歩離れた立場にいらっしゃる方に
聞くのがよいようです。

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8. 「分かるよ」、「あなたの悲しみはとてもよく理解できる」
(安易な同情)
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全く同じ経験をしていない限り、
愛する人を亡くすという事がどういう事なのか、
本当の意味で「分かる人」はいないのかもしれません。

例え、
「私も夫を亡くした」など、同じように見える立場だったとしても、
関係性はそれぞれなので「分かる」と言われても、
あまり嬉しいものではないことの方が多いようです。

また、こういう事を言う人はほとんどいないでしょうから
リストには含めませんでしたが、

「(たくさんの友人に見送られる姿を見て)
いい人だってずっと言われてたけど、
今日初めて分かったわ」

と言っていた方がいて、愕然としました。

故人の事について、
少しでも誤解を与える表現は慎んだ方が良さそうです。

その他、

「がんばったのにね」

「ここまで頑張ったからしょうがないよ」

「好きなことで亡くなって本望だね」

「大往生だったね」

なども、人によってはあまり気持ちのよいものではないようです。

このように書きますと、
結局のところ、

「何と言っていいか分からない」

というのが正直なところだと思いますが、

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「何も言わなくていい」
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のだろうと思います。

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絶望の淵にいる方には、
ほとんどの場合、
言葉というものは届かない
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ようなのです。

「何か元気づけるアドバイスをしてあげたい」と思っても、
よほどの心理学的な経験と知識がないと、
現実的にはほとんど逆効果なので、

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「何も言わずにお話を聞く」、「一緒に泣く」
という事が、一番の助けになる
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ようです。

どんなにつじつまが合わなくても、
逆に気分を害されても、
この時ばかりは否定や反論はぐっと堪えましょう。

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相手の言葉や態度はすべて受け入れ、
包み込む姿勢が求められます。
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義母も、うちの父親が「御愁傷様でした。。。」と一言だけ言って、

【余計な事を何も言わなかった事が一番嬉しかった】

と言っていました。

また、
遺された方との距離がかなり近い方は、時折、
メールしたり、電話したり、会いに行ったり、
と言った行為は歓迎されるようですが、

それほど距離が近くない場合は、
少なくとも

半年くらいはコンタクトを取らないという事も
選択肢の一つかもしれません。

「どうしてるかな?」と気にはなるのが人情だとは思いますが、

返事をする、相手をする、という事に、
ものすごいエネルギーを使う

ようなので、

【そっとしておいてあげる】

というのは、大人の寄り添い方、愛情表現なのかもしれません。

相手のためを思ってしてあげる事って本当に難しいですが、

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「何も言わずに寄り添う事」は、あらゆる
悲しみや苦しみに共通した処方箋
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なのかなぁと思います。

葬儀屋さんにはぜひ、一枚ペラで良いので、こういう内容の紙を
来賓の方々に配っていただけると、
嬉しいなぁと思います。

遺された方々がさらに傷付かれる姿を見るのは、
とっても悲しいものです。。。

監督・父
豪田トモ

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