※ 「あやや」
先日、被災地に訪問した時に、
久しぶりにダウン症の「あやや」に会いました。
2007年〜2008年にかけて、
宮城県蔵王町の障がい者施設、「蔵王すずしろ」のドキュメンタリーを
作らせていただいた事から、
いまでも何人かの方とはコンタクトを取らせていただいていますが、
ダウン症の「あやや」は当地で製作させていただいた
3本のドキュメンタリーのうちの1本に、
主人公としてご登場いただきました。
※ 監督・豪田トモと「あやや」
ダウン症とは、
21番目の染色体が1本多いという、生まれついての障がいで、
基本的に「治療」する法はありません。
ちなみに、映画『うまれる』にご出演いただいた虎ちゃんは、
18番目の染色体(トリソミー)に関する障がいを持って生まれてきました。
平均的に800人に1人の赤ちゃんがダウン症として生まれ、
現在は日本全国に約5万人のダウン症の方がいると言われています。
人それぞれに重さ軽さは異なりますが、
・知的な発達に難しい部分があったり、
・言葉がうまく話せなかったり、
・耳が聞こえにくかったり、
・心臓や眼、筋肉が弱かったり、
・白血病など特定の病気にかかりやすかったり、
日常生活を送る上で、非常に多くの困難があります。
以前は20代が寿命と言われていましたが、
現在は医療技術の発達により、まだまだ短いですが、
50代くらいまで伸びていると言われています。
★ 詳しくは日本ダウン症協会さんのホームページをご覧ください。
http://www.jdss.or.jp/
※ 僕が撮った写真をポスターに使っていただきました♪
見た目的には、
目がややつり上がっているように見えるのが共通しているので、
会えばすぐに
「あ、ダウンちゃんだ」
と分かります。
※ ダウン症の方を、愛着を込めて「ダウンちゃん」と呼ぶ事は多くあり、
僕らもそう呼ばせていただいているので、本文でも「ダウンちゃん」と
書かせていただきます。
ダウンちゃんに共通したもう一つの特徴は、
人懐っこいこと!
もちろん人それぞれ若干異なりますが、
多くのダウンちゃんは人が大好きで、明るくて、よーく笑います。
歌や踊りも大好きで、
写真を撮りながら「得意なポーズして」と頼むと、
皆、オリジナルのポーズをとってくれるんですよ(笑)。
※ 「あやや」のポーズ
接した事がない方にとっては、どう接したらよいか、
不安な部分もあるかもしれませんが、
一度接すれば、皆、ダウンちゃんの事が大好きになると思います。
僕らはこれまでたくさんのダウンちゃんと知り合いましたが、
そのうちの一人が、「蔵王すずしろ」で会った「あやや」でした。
「あやや」の本名は「ゆみ」さんですが、
アイドルの松浦亜弥さんが大好きで、自ら
「あややって呼んでください」
と言うので、
僕らは「あやや」と呼んでいました(笑)。
当時、「仕事と障がい者」というテーマで、
ドキュメンタリー製作の依頼をいただいたものの、
どんな作品を作ろうかと思い悩んでいた僕らを
とにかく笑わせてくれたのが、
当時20歳になったばかりの「あやや」でした。
「あやや」にはとにかく、これでもかってくらい笑わせてくれましたが、
何が面白いって、
自分の気持ちにものすごく正直
なんです。
例えば、
すぐに男の子を好きになっちゃう(笑)。
通っていたダンスクラスでは、
教えに来てくれていた仙台大学の学生さんの
ほとんどに告白していましたし(笑)、
一時期、僕の事も好きになっちゃったみたいで(!)、
妻の朋子に
「トモくんは、わたしと朋子さんと、どっちが好きかなぁ?」
と真っ赤な顔をしながらも、まじめに相談したりしていました(笑)。
当時、僕のアシスタントをしてくれていたヒロシくんが
「なんでトモさんの事が好きなの?」
と聞きに行ったら、今度はヒロシくんのことを好きになってしまう
という展開もありました(笑)。
※ ヒロシくんとご機嫌のショット!
東京に遊びに来た時には
「ホストに連れてってください」
と僕に耳打ちしてくる始末(笑)。
「昼間にホストはいないよー」
と答えたら、
「じゃあ、カッコいい男の子のいるところに連れて行ってください」
と言うので、
いちおう、「あやや」好みの人がいそうな、
渋谷の109メンズ館に連れて行きました
(ホストっぽい人が好きらしい)☆
109メンズ館は「あやや」にとってはビンゴだったようで、
うつむきながら
「一緒に写真撮ってください」
と、真っ赤な顔をして、いろんな男子に声をかけていました(笑)。
シャイなんだかイケイケなんだか、
よく分かりません♩
※ 今回、宮城に行って3年ぶりの再会!
障がいを持った方と接し始めると、
「笑っていいのかどうか」
という課題に突き当たりますが、
「あやや」のような人たちと一緒にいると、
自然に笑顔が生まれ、
愛らしい感情が芽生えます。
無意識のうちにある心の壁を取り払ってみると、
学びと気づきがいっぱいあります☆
そんな「あやや」と会うのは、3年ぶり。
娘の詩草(しぐさ)に会うのは初めてだったのですが、
とても可愛がってくれ、詩草も「あややお姉ちゃん」と懐いていました。
相変わらず、
「ホストどこですか?」
と言っていましたが(笑)、
震災を経験した後も、とっても元気そうで良かったです。
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ダウン症に関して僕がとっても残念に思っている事の一つが、
ダウンちゃんたちがいかに魅力的な人たちなのか、という事を
多くの人が知らないという事
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です。
※ 自分よりも助けが必要な人たちの手をひっぱる山川亜紀ちゃん
ダウンちゃんに攻撃性は全くありませんし、
きちんとコミュニケーションもはかれます。
もし接する機会がありましたら、
思う存分、楽しんでください。
きっと、たっっっっくさんの事を学べると思います。
そして、いっぱいいっぱい、一緒に笑えると思います。
※ ことちゃんと亜紀ちゃん
ダウンちゃんの魅力については書ききれませんが、
今日はこの辺りで☆
僕の夢の一つは、
ダウン症の人しか住まなくなった未来世界についての映画を作る事。
もちろん、登場人物・役者はすべてダウンちゃん。
いつか叶うといいなぁ。
※ プロデューサーの牛山朋子と
監督・父
豪田トモ
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