映画「うまれる」を見てきました。
感動する事も涙するだろうことも予測していましたが、
涙腺の蛇口が壊れたみたいで、その後何を聞いても見ても涙があふれてきます。
私も父や母との間に葛藤があり、経験して来た苦しみが、
いつも苦い経験として心の隅にありました。
何かうまく行かない時は、いつも自分の育ってきた境遇や、
親のせいにして来ましたが、映画の中に自分と重なる境遇を見て、
今まで辛いと思っていた経験は、私に与えられた宝物だったんだと思えました。
一緒に見た娘が言ったのです。
「みんな、どうして泣くのって?」
私は、
「この人たちの喜びや苦しみが自分の事のようにわかるから、
私たちの魂と身体にすっごく響くから自然と涙が出るんだよ」
って娘に答えました。
この映画を見て、はじめて私の痛みの意味が分かりました。
この痛みがあるから、私はやっぱり人がすきなんだと。
そして、その大好きな人のために自分が出来る事は何だろうって考えるとき、
音楽をはじめ様々な物が私から「クリエイト」として生まれてくるのだと感じました。
私にとって父親という存在は有りません。
私が生まれてから2ヶ月目に、父と母は離婚しました。
その後、私は16歳の時に自分の意志で父に会いにいきました。
そして、22歳で父が亡くなるまで会っていません。
最後にあったのは、棺桶の中で眠る父でした。
父のおでこを見ていると、急に私の奥深いところから
本当に深い味わった事のない悲しみがこみ上げて来て、
自分でも不思議なくらい泣きじゃくっていました。
なんだか、とても不思議な感覚で、私はもう一人の私を冷静に見ていて、
何でそんなに悲しいのかわからないのだけど、
一口に言うとDNAとか、魂とかがせっかく父と子として生まれて来たのに、
一緒に過ごせなかった事を悲しんでいました。
でも、それまで私はそんな事一度も悲しいとは思った事もありませんでした。
私は、去年父が亡くなった年を越えました。
この世で一緒に過ごせなかったけど、
やっぱり父からの愛は私という形で存在しているのですね。
そんな事を思い出させてくれた映画でした。
皆さんも、機会があればぜひ見てみてください。
Happy Fathers Day!
お父さん、私を生んでくれてありがとう。
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映画『うまれる』の体験談より
http://www.umareru.jp/experience/
※ 2013年8月より、新たに、
「子育て」「パートナーシップ」「血のつながりのないご家族」
「愛着障がい・親子関係」「闘病」「介護」「看取り」のカテゴリーを追加いたしました。
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