先日、計20の産婦人科の病院やクリニックが連携して、養子縁組の支援をしていく事になった、というニュースがありました。
http://www.asahi.com/national/update/0829/TKY201308280555.html http://sankei.jp.msn.com/life/news/130918/edc13091807540002-n1.html http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG07013_X00C13A9CR8000/
簡潔に書いてしまうのは気が引けるのですが、
ご理解いただきやすいように書かせていただきますと、
今回のニュースの概略は、
・予期しない妊娠をしてしまい、子どもを育てる事が現実的に難しい女性に、
・子どもを育てたいと願うご夫婦を紹介し、
・場合によっては子どもを託す「養子縁組」の選択肢を用意する、
・という活動を、全国の産婦人科で連携しながらやっていきましょう、
というアイデアです。
これは映画『うまれる』にもご出演いただいた、
僕も心から敬愛する
産科医の鮫島浩二先生が発起人。
※ 映画の中で、お腹の中で赤ちゃんを亡くされた女性に、天国の赤ちゃんからの手紙を書かれた、あの先生です!
※ 手紙は書籍にもなりました☆
産科という場所は、
命の誕生という美しく場面が多いのですが、
映画『うまれる』でも取り上げさせていただいたように、
流産・死産という悲しい出来事があったり、
赤ちゃんを望むもののなかなか授からない事があったり、
また、今回のように、妊娠はしたけれど、予期したものではなく、
赤ちゃんが来てくれた事を喜べない、ということも現実的にはあります。
そしてその場合、多くの女性は、
「中絶」という選択肢を選びます。
※ 現在の日本の中絶件数は約25万件です。
その事を現場で体感するようになった鮫島先生は、お仕事の傍ら、
中絶ではなく、妊婦さんと赤ちゃん、そして、育ての親をつなげる養子縁組の活動を、
20年以上もの間、ボランティアでされてきました。
「患者の人生を看る」鮫島先生の医師としての心持ちには
本当に頭が下がります。
鮫島先生の養子縁組の活動は「その子を、ください。」という書籍でも書かれています。
※ ちなみに、鮫島先生は一度も中絶手術をした事がない、という非常に珍しい産婦人科医です。
※ 死産の経験をされた関根さんは鮫島先生のクリニックで「第二子」をご出産されました
僕らも映画『うまれる』を製作している時に、
色々な出会いの中で、「養子縁組に関する作品を作れないか」と思うに至り、
その後、リサーチ・取材を続けてきました。
これまで日本の養子縁組活動というのは、
医師や弁護士、NPOなど様々な個人・団体の方々が、
様々な思いで行われてきました。
養子縁組に関する取り決めについて書かれた法律は、
実は日本には事実上、存在していない事もあってか
(現在、立法の動きがありますが、賛否両論ある中、激論が交わされています)、
見方によっては、金銭的利益を享受しているのではないかと疑われてしまう活動や、
人身売買ではないかという批判も現実にはあるようです
(この件は様々な誤解もあるので、また機会を改めてご報告できればと思っています)。
そうした中、鮫島先生が今回、
「あんしん母と子の産婦人科連絡協議会」という名称で、
産科医もリーダーとなって養子縁組活動をしていこう、と行動されたのは、
ひとえに、
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赤ちゃんの命、そして産みの親の人生を守りたい
資本主義の論理で不当な赤ちゃん取引をなくしたい
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からだと思われます。
そして僕らは鮫島先生のお人柄もよく存じ上げておりますので、
今回の活動が表面的なものではなく、「本物」であり「真剣」であると分かります。
鮫島先生の活動を
『うまれる』としても応援させていただきたいと思います。
※ 養子縁組に関する話は今回の内容だけでは、非常に説明不足なので、
また改めてご報告できればと思っています。
★ 「あんしん母と子の産婦人科連絡協議会」の公式HP
http://anshin-hahatoko.jp/
監督・父
豪田トモ
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