Bさん一家とお会いしたのは約1年前。
次回作の撮影協力にご応募いただいた事がきっかけです。
Bさんご夫婦はお子さんを望んでいたもののなかなか授からず、
一年以上、不妊治療を続けていました。
僕らがお会いした時は、
治療に活路を見出せず、お互いのストレスがマックスで、
喧嘩が絶えなかった時期であった事は、
後から知りました(笑)。
何となくご縁を感じて撮影をさせていただく事になったのですが、
実は最初の撮影が、お会いして約一週間後の
「胚移植」の撮影でした。
通常、僕らは何度かお会いして関係を築いて、
ご信頼をいただけるようになってから
カメラを回させていただく事が多いのですが、
今回は何となく「いま始めた方がいい!」と直感的に思い、
撮影をさせていただく事になりました。
「胚移植」とは、「胚」つまり「受精卵」を
女性のお腹に「戻す(移植する)」事を言い、
通常の夫婦生活で赤ちゃんが授からない時に行う不妊治療の一つです。
女性の身体に注射をさして卵子を取り出し、
別途、旦那さまに用意してもらう精子と、
シャーレの上で出会ってもらうのです。
ちなみに、シャーレに両者を置いて、
よーいどんで出会わせる方法を「体外受精」と言い、
医療従事者が卵子の中に精子を注射して出会わせる方法を
「顕微受精」と言います。
いずれも数十万円の費用を要するので高額です
(細かな方法やクリニックによって値段は異なります)。
さて、Bさんご夫婦の「胚移植」ですが、
自分が誕生するところを赤ちゃんが撮って欲しかったのか(笑)、
何と奇跡的に、一回で妊娠する事が出来ました。
その瞬間も撮らせていただけたので、
すごーくラッキーでした。
その後、順調に妊娠生活を送り、、、
となれば良かったのですが、
妊娠3ヶ月の頃に大出血。
トイレに座っていた時に、驚くほど大量の血が流れ、
床は正に血の海に。。。
「赤ちゃん、流れちゃった。。。」
瞬間的にそう思ったそうです。
すぐに病院に行き、
看てもらったところ、奇跡的に赤ちゃんは無事でした。
この経験を機に、
旦那さまの意識が決定的に変わりました。
病院に連れて行く車の中で
「死なないでくれー!!」
と泣き叫んでいたそうで、
それまではどこか、赤ちゃんが来てくれた事に
ピンときていないところがあったようですが
(パパの多くは身体的な変化がないので、
妊娠だけではまだフワフワしたところがあります)、
お腹の赤ちゃんが
「絶対になくしたくない大切な命」
である事を心から感じる事が出来たそうです。
その後も奥さまはつわりが重く、
妊娠後期に至るまで気分がすぐれませんでしたが、
先日、無事に帝王切開で赤ちゃんが産まれました。
この世に新しい仲間が増えた事を、
心より嬉しく思います。
Bさん一家の皆さま、
本当におめでとうございます!!!
監督・父
豪田トモ
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