ミュージシャンでモーニング娘。のプロデューサーとしても知られる、
つんく♂さんが喉頭(こうとう)がんの闘病中である事を告白されました。
とても、とてもショックです。
衝撃です。
5歳の双子ちゃん(男児、女児の二卵性双生児)、2歳の女の子と、
小さなお子さんの父親であり、夫であり、
まだまだ45歳と、男としては油の乗り切った年齢での、
がん告白。
詳しくはスポニチのサイトをご覧ください。
http://tinyurl.com/lbbpmdl
ご本人の不安や苦しみ、
奥さまやご家族のご心配を思うと、、、
胸が張り裂けそうです。
昨年からお声がガラガラした感じだったので、
一部ではその疑いや心配もあったようですが、
まさか本当に。。。
僕自身も、つい昨日のメルマガで(2014年3月4日発行)、
つんく♂さんと同じく、
のどに「腫瘍(しゅよう)」
がある事を公表させていただいた事もあり、
報道を聞いて、あまり人ごととは思えない感覚を持ちました
(僕のは良性腫瘍で現段階では命に別条はありませんが、
いつ悪性に変わるか分からないという「爆弾」を抱えています。
ご興味ございましたら詳しくはメルマガをご覧いただければ幸いです)。
http://www.umareru.jp/mail/special-magazine.html#backnumber
多くの方にとって、
・「がん」というもの
・「喉頭がん」というもの
に馴染みがないと思いますが、
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最終的に国民の半分がわずらうと言われている
「がん」は決して他人事ではありません
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ので、この機会に少し解説させていただこうと思います。
僕は『うまれる』シリーズの一つに「がん闘病」というテーマを選び、
約3年ほどリサーチ、取材、撮影をさせていただいてきましたが、
たかだかドキュメンタリーを作っている人間の一人です。
医療従事者の方には
内容に違和感を感じられる部分もあるかもしれませんが、
長尾クリニック・院長、東京医科大学客員教授の長尾和宏先生に
医療監修もしていただいておりますし、
完全に間違った情報はないだろうとは思います
(先生にご指摘いただいて修正した部分もいくつかあります)。
ただ、
すべての物事と同じく、
考え方は人それぞれですので、
その辺りはご了承いただければ幸いです。
より詳しくお知りになりたい方はインターネット等をご利用して、
さらに調べてみてください。
現代社会においては、情報は多角的に取得する事はとても大切かと思います。
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「がん」の話なんて、読みたくないし、聞きたくない内容
かもしれませんが、将来的に、あなたの、ご家族の、
ご友人の命を救う事になる可能性があります
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ので、この機に
ぜひお目通しいただければと思い、記事を書かせていただきました。
※ 日々の生活で医療に関わりのない方にも「伝わる」文章にしたかったため、
なるべく専門用語を使わないように努めました。
● つんく♂さんの「喉頭(こうとう)がん」とは?
さて、
つんく♂さんの「喉頭(こうとう)がん」ですが、
まず、人間の喉(のど)は、
「喉頭(こうとう)」と「咽頭(いんとう)」と分かれて呼ばれています。
※ 「がん情報サービス」さまより
★ 喉頭がん、咽頭がんの医学的な点については「がん情報サービス」に詳しく解説されております。
http://ganjoho.jp/public/cancer/hypopharynx/
http://ganjoho.jp/public/cancer/larynx/
「喉頭(こうとう)」
という聞き慣れない名前の部位は、
分かり易く書きますと、
「のどの奥の声帯やのどぼとけがある辺り」
で、舌の付け根から気管につながり、肺への続く道中の部分です
(言葉だと説明しにくいので図を見てください)。
ここに出来てしまった「がん」を「喉頭がん」と呼びます。
一方、
「咽頭(いんとう)」は
「喉頭(こうとう)」の食道・気管を挟んで反対側にあり、
鼻〜口〜食道の入り口までの広範囲な場所をさしますが
(言葉だと説明しにくいので図を見てください)、
僕の腫瘍があった場所は
(良性腫瘍で「がん」ではありません)、
「下咽頭(かいんとう)」と呼ばれる「のどの奥の辺り」の部分です。
治療法なども若干異なりますが、
いずれにしろ、とても近い場所です。
耳・鼻・のどの辺りのがん自体、非常に発生頻度が少なく、
最新の統計データによると、
【喉頭がんの発生数はがん全体の0.6%ほど】
であり、人口10万人あたり3.4人ほどと言われています。
女性より男性がかかる率が10倍ほど多く、
50歳代から80歳代までに急激に増加。
僕の咽頭(いんとう)部分と同じく、
【タバコによってリスクが確実に高くなる】
ことがわかっていて、
【患者さんの90%以上が喫煙者】
です。
その他、お酒もリスクを高めます。
つんく♂さんはタバコとお酒をたしなむ方だったのかなぁ。。。
いまでこそ僕は「嫌煙家」ですが、
7年くらいまでは断続的に喫煙していましたし、
それなりのお酒を飲んでいましたので、
もし、がんになっていたとしたら、
僕の場合は完全に自己責任だったと言えるでしょう。
後悔先に立たず、、、との正にこの事です。
父親には物心ついた時から、
・祖父が喉のがんが原因で亡くなった事
・最後は人工のどのようなものを付けて悲惨だった事
・だから自分はタバコを止めた事
などを聞かされていましたが、
当時の僕は父親と不仲でしたので全く耳に入らず(笑)。
僕は愛着障害や「親子関係が人生に多大な影響を与えてしまう」という話を
よく書かせていただきますが(僕の作品作りの原動力でもあります)、
こういうちょっとしたところにも影響が出てきます
(父親のせいにするつもりは100%ありません!)。
★ 「親子関係」について書いたブログ集
http://www.umareru.jp/blog/cat161/
● 喉頭(こうとう)がんの治癒(ちゆ)率
喉頭(こうとう)がんは、
他のがんと同様に早期発見が非常に重要で、
【喉頭がん全体の治癒率は約80%弱と、かなり高い】
です。
ただ、
発生率の低い部位なので胃や肺などと違って定期的な検診は行われておらず、
普通は、のどのイガイガやかすれ声を「がん」とは思わないので、
病状が進行してから発見されることも少なくないようですし、
後に解説させていただいていますが、
命と引き換えに声を失う、という事もありえます。
● 喉頭がんの主要な治療法
通常、喉頭(こうとう)がんと診断された場合の治療方法は、
「ステージ」によって異なりますが、
声を出す機能を残す事が重要視されるため、
【主に放射線治療と抗がん剤治療】が組み合わされます。
治療をしたにも関わらず、がん細胞が多数、残ってしまった場合、
もしくは既に大きく広がってしまっている場合は、
外科手術が選択されるようですが、
手術は、
喉頭(こうとう)部分の
・一部切除
・全摘出
との二種類に分かれ、
後者になってしまった場合、
声の機能は失われてしまいます。。。
発声できなくなってしまった場合は、
機械やリハビリによって、概ね「新しい声」を出せるようになりますが、
歌い手さんにとって「声は第二の心臓」でしょうから、
とても受け入れられない事なのだろうと推察されます。
なので、もしかしたら、つんく♂さんは手術という選択肢は取らず、
あくまで放射線治療と抗がん剤治療にこだわられるかもしれません。
つんく♂さんの病状がどういう状態なのかは分かりませんが、
どうか、どうか、手術に至らない事を祈ります。
一体いま、どのような心境でいらっしゃるのか。。。
次は「がん」とはいったい何者なのか、どこから来るのか、
などについて解説させていただきます。
http://www.umareru.jp/blog/2014/03/post-1240.html
☆ 今回の「がん」に関する一連ブログはこちら
・ つんく♂さんの喉頭がんについて ・ 「がん」とは何者? ・ 「がん」はなぜ身体に悪いのか? ・ がんの「ステージ」って何? ・ がんの主要な3つの治療法 ・ がん闘病で大切な事: 予防と早期発見、そして向き合う事 ・ 「がん」と「こころ」 ・ がん患者さんに対して私たちに出来る事
< 医療監修: 長尾和宏先生(長尾クリニック・院長、日本尊厳死協会・副理事長、東京医科大学客員教授) > http://www.nagaoclinic.or.jp/
映画『うまれる』監督
豪田トモ