劇団ひとりさんの初監督作品「青天の霹靂」を拝見しました☆
生きる意欲をなくした売れないマジシャン(大泉洋さん)が雷にあたってタイムスリップし、40年前の両親(劇団ひとりさん、柴咲コウさん)に会う、というストーリー。
観ていて全く退屈せず、たくさん笑えて、ホロっと泣けて、という、バランスの取れた娯楽ドラマに仕上がっていました。
この映画の主なテーマは
・親との葛藤を解消する
・生まれて来た素晴らしさを実感する
だと思われますので、
製作者の方々には恐縮なのですが、
とても映画『うまれる』との親和性が高く、
おそらく
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『うまれる』を好きな方であれば、
とても気に入っていただける作品
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ではないかなぁ、と感じました。
僕が言うのも気が引けるのですが、
若干、ディテールに詰めの甘さは感じるものの
(ネタバレになるので末尾に少しだけ書かせていただいています)、
入り方も上手いし、終わり方も上手い。
全編に渡って、劇団ひとりさんの監督としてのセンスが存分に発揮されています。
全くCGを使わず、カットでもごまかしていない大泉洋さんのマジックも見物です。
撮影は明日のフラ撮影でも撮影を担当してくださる山田康介さん。
さすがの色使い&カメラワークです☆
映画「青天の霹靂」は今日から公開です。
監督・父
豪田トモ
以下ネタバレになるので映画を観た人だけお読みください。
◎ 僕がちょっと詰めが甘いのかな、と感じたところ、ベスト3
1. 誕生直後に母親に捨てられてたのであれば、何かしらの恨み・辛みなどがあって、わだかまりを感じていると思うのですが、そういう要素があまり感じられないこと
(親子関係はこの映画の肝なのかなと思うので)
2. 柴咲コウさんは胎盤剥離のために子どもを産んでそのまま亡くなるという設定になっていますが、胎盤剥離の場合は分かった時点で母子共に一刻を争うため、劇中のように、呑気に陣痛を待ったりできません(笑)。
医療的知識が全くなければ「そういうのもあるんだ」という感じでスルーできると思いますが、これはこの物語、最大の葛藤の一つなので、重要かなと思いました。
3. 「タイムスリップもの」の醍醐味は「現代とのリンク」じゃないかと思うんです。
例えば、名作「バック・トゥ・ザ・フューチャー」なんかだと、父親の癖やいじられ方が昔からのものだったり、昔カフェで働いていたアフリカ系の人が現代では政治家として立候補していたり、様々な「リンク」に面白さを感じますが、本作はその「リンク」が非常に少ないので、「タイムスリップもの」の良さを発揮しきれたかな??という部分がありそうです。
ただ、これはストーリーの肝ではなく、娯楽要素としてのプラスαになりますが。
これら3点に関しては、作品を批判することを目的としたものではなく、
個人的に
「ここがこうだったらもっともっと良かったなぁ」
という感想で、
本作の素晴らしさを損なうものではないと思います。
全体的には、多少の「ツッコミどころ」はあっても、【誰もが楽しめる感動作】になっていると思います☆