映画は主に
1. プリ・プロダクション→撮影などの準備
2. プロダクション→撮影
3. ポスト・プロダクション→撮影後の編集や音楽などの仕上げ
という3つの流れで製作されますが、
写真はポスト・プロダクション(通称: ポスプロ)の現場です。
ここは「ポスプロ」の中の「カラー・コレクション(色補正)」をする場所で、
簡単に言うと、「メイク室」みたいなものです(笑)。
映画はたくさんの他人様にご覧いただくので、
「スッピン」のままではなく、きちんと「メイクアップ」を施して、
皆さまの手元に届く事がほとんどです。
・撮影時よりも少し光の加減を増やして明るくしたり(逆に暗くして雰囲気を出したり)、
・全体的に青を増やしてクールな、もしくはサスペンスな雰囲気を出したり、
・逆に画面全体に暖色系の度合いを増やして、暖かい印象を強めたり、
・もしくは古い映像のような効果を出したり、
と言った
「メイク」を施します。
最近は技術が進んで来て、画面の中の一部の色を変える、
と言った事も割と簡単にできるようになってきています。
※ 「カラー・コレクション(色補正)」の例
劇映画やコマーシャルでは、
この「メイク」はほぼ100%行われますが、
ドキュメンタリーではあまり「定例作業」ではないかもしれません。
「ドキュメンタリーはスッピンであるべき」と考える作り手もいらっしゃいまし、
また、メイクをするには現実世界と同じく、それなりの時間とお金がかかるからです。
僕の場合は、女性の好みと似て、「薄化粧」派ですね(笑)。
ドキュメンタリーは撮影の準備がほとんど取れないので、
光や色の設定に時間を費やせず、
現場では撮影上のミスが頻発します
(ミスなく出来る人はたぶんほとんどいないと思います)。
なので、
「メイクしたらこんなに綺麗になりました」
とまではしませんが(笑)、
暗くなってしまったところを明るくしたり、
少し色調を変えて綺麗に見せたり、といった作業をします。
色々な考え方はあると思いますが、
僕はやっぱり、自分の作品には、無理のない範囲でそれなりに美しくいて欲しいし、
しっかりと身支度を整えて舞台に上がるのが礼儀だとも思っています
(もちろんスッピンのままの方が良い作品・場面は別として)。
と言う事で、
次回作ではぜひ僕らの「メイク」にもご注目ください☆
ほとんど気づかれないかもしれませんが(笑)、
「ドキュメンタリーの割に綺麗な映像だなぁ」
と思っていただいたら、それは僕らのメイクも関係しているかもしれません。
監督・父
豪田トモ