「愛着障害」というテーマについては、
これまでブログやFacebook等で、
ちょっぴりお話させていただいてきましたが、
先週のNHK「クローズアップ現代」で、僕が知る限り初めて、
「愛着障害」が大手放送メディアで取り上げられたような気がします。
これはもっともっと、もっともっと多くの人に知って欲しい考え方。
番組の中では主に
「少年・少女が非行に走った原因は親からの虐待によって愛着障害を持つようになったから」
という感じで描かれていましたが、
僕が思うに、このテーマは非行少年少女に限らず、
犯罪歴もなく、精神疾患の診断を下されたわけでもない、
ごくごく一般の人たちの多くに関わっていると感じています。
専門的な定義は若干異なりますが、
僕の中での「愛着障害」というものは
「社会に出るまでに、無条件かつ継続的な愛情と認知を保護者から与えられないと
心にトラウマを抱えるようになり、社会生活において様々な支障をきたしやすい」
状態じゃないかなぁと思っています
(細かく言うと「いじめ」もその一つ)。
人に
・認められない
・愛されたい
という想いが極端に強い
もしくは
・認められていない
・愛されていない
と感じた時に強い怒りを感じるのは、
※ 以下は少し単純化して書きました
保護者(多くは親)から無条件かつ継続的な愛情と認知を与えられなかった
↓
自尊心・自己肯定感が心の中でうまく育たなかった
↓
心の中に満たされない空洞感やトラウマ・傷のようなものを抱えてしまう
↓
保護者に与えられなかった愛情と認知を埋めるために様々な言動を取るようになる
(もしくは最初から諦めて、傷つかないように人との距離を取る)
(もしくは愛されない・認められない事に極端に傷つきやすくなり、強い怒りを感じる)
↓
他人からはその言動が奇異に映る事があり、人間関係でういてしまう
↓
仕事、恋愛関係、結婚、子育て、夢実現などでも「うまくいってないなぁ」感が強くなってしまう
というようなメカニズムがあるからなんじゃないかなぁと思っています。
つまり、誰にでも心当たりがある事(笑)。
僕は何を隠そう、長年、「愛着障害」を抱えていて、
これまで色んな人に迷惑をかけてきました
(皆さん、ごめんなさい!)。
幸いな事に、
映画『うまれる』の製作によって
「愛着障害」を克服できたように思いますが、、
このテーマは僕にとってライフ・ワークに近いものになります。
前作の『うまれる』も新作の『うまれる ずっと、いっしょ。』も、
誕生、生命の神秘、家族の絆といったものが表向きのテーマですが、
底にある芯のテーマは「親子関係」です。
この世で最も大切なものは「いのち」ですが、
その「いのち」を光り輝かせるのは「家族」であり、「親子関係」じゃないかなぁ
と思うのです。
『うまれる』シリーズでもいつかは、より突っ込んだ形で
愛着障害と親子関係についての映画を作りたいと思っていますが、
・自分が幸せになるために
・大切な人が幸せになるために
・子どもが自立するために
この考え方を学んでおく事は、
とってもとっても重要だと感じていますので、
今回、敬愛する岡田尊司先生の「愛着障害」をご紹介させていただく事にいたしました。
本文を簡単にご紹介します☆
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生後6ヶ月~1歳半くらいまでが、
愛着形成にとって、最も重要な時期とされるが、
一歳半までの愛着形成期間に養育者との間で愛着の絆が
確立されていないと、安定した愛着の形成は困難になりやすい。
なぜ、パートナーとうまくいかないのか。
なぜ、会社でうまくいかないのか。
なぜ、子どもにつらくあたってしまうのか。
それは、
つまずいた時、失敗した時に、
戻れば抱きしめてもらえるはずだった
「安全基地」であるべき親から、
無条件に愛されない、
認められない、
褒められない、
虐待を受ける、
などの経験をした人たちに多く起こる「愛着障害」の症状だった。
オバマ米大統領も、夏目漱石も、
そしてあのステーブ・ジョブズも「愛着障害」を持っていた。。。
愛着の傷は、体の傷以上に、癒えるのに時間がかかる。
修復するには、親との関係を改善していくことが、もっとも望ましい。
子どもの頃に傷ついた体験は、たいてい心の隅に押しやられ、
はっきり言語化されないまま、もやもやとした記憶として心に巣食っている。
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僕のように「親に愛されなかった」と感じている方、
「親と疎遠である」という方、
その他にも
「人間関係がうまくいかない」
「いつもイライラしている」
などの悩みをお持ちの方には【一筋の光が差し込む】のではないかと思います。
正直、
親との不都合な関係に向き合い、「自分が愛着障害かも」と認めるのはキツいですが(笑)、
【すべての問題は、それを自分の中で課題と認めて向き合う事でしか改善しない】
部分があります。
特に【子育て中の人は必読】!
愛着障害は、主に子育て時のボタンの掛け違いによって起こり、
ほぼ一生に渡って引き継がれる課題なので、
親がこの考え方を知っていないと、
知らず知らずのうちに子どもが愛着障害を抱えてしまう可能性があります。
個人的にはどの子育て本よりも子育てに有用な本だと思います。
向き合う人は救われます☆
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監督・父
豪田トモ
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