すべての親が観るべき映画「みんなの学校」!

10987006_1230023423681763_2307006294836687872_n.jpg ※ 真ん中が真鍋監督 初日に観に行きました!

いやー、すんばらしい映画を観ました!

「みんなの学校」!

これはね、

子を育てるすべての親、

いや、

人を育てる立場にあるすべての人、

いや、

社会に属するすべての人に観て欲しい映画です☆

特別支援学級を作らないという方針の、
ある大阪の小学校の1年間を追ったドキュメンタリー。

発達障害のお子さんや、問題解決の手段を暴力に頼る、
いわゆる「問題児」、遅刻魔など、もしかしたら
他のコミュニティであれば、煙たがられる、場合によって追い出されてしまう
子どもたち(実際に他校から転入してくる子も多い)を、

みーんな、大人の愛で受け止めていくんです。

それを実際に実践している姿に感動の連続!!

・「引退や!こんな変態学校いらん!」「いやや!」「アホ!」と
 叫びながら、教室に入ることを拒む子の背中をずっと摩る子

・そんな、学校に馴染めず、前の学校では全くお友達ができなかった
 特別支援が必要な子が最後の方では周りのお友達と仲良くやっている姿

・先生と話した後にぶってしまった子に謝りに行ったら、逆にボコボコに
 されても我慢して殴り返さない姿

・みなが将来の夢を語る時に「人をぶったりしない子どもになりたい」
 と涙ながらに語る子

などなど、今思い出しても心がジーンと来る、
ドキュメンタリーならではの良さが光る映像が目白押しです。

ナレーションの内容と必要性については批評家ウケしない部分は
あるかもしれませんし、「キャラ」のかぶった子どもがいるので
混乱する人もいるかもしれませんが、それらを補って余りある

魅力に満ちあふれた映画。

登場人物、ストーリーの構成、メッセージ、とっても好きです!

やっぱり校長先生がスゴいです!!

すべての社会はリーダーから始まる!という事を改めて思い出させてくれます。

彼女の受け止める力、声のかけ方、話の聞き方、誉め方、、、
同じ立場の教員だけでなく、僕ら親、保育士さん、部下を持つ上司などなど、

人を導く立場にある、みーんなが、学べる点がたくさんあると思います。

僕は「女性が社会を変える」と思っているので、
女性のリーダーがどんどん増えて欲しいと思っていますが
(この話は長くなるので機会を改めます)、

こういう学校のトップが女性というのは、
ある種、象徴的な気がしました
(男性の校長を揶揄するわけじゃないですよ!)。

僕は

「すべての組織体はリーダーの遺伝子が流れる」

と思っています。

・イライラしていつも怒鳴り散らすリーダーの元に、
 笑顔に溢れた人たちは多くいないでしょうし、

・綺麗好きの店長の店はやっぱり綺麗な店になっているし、

・ジョーダンばっかり言っている社長の会社は、スタッフの人の笑う回数は多い

傾向にあるんじゃないかと思います。

これは会社でもコミュニティでも、ちょっと怖いけど、家庭でもそう(笑)。

親から虐待を受ける子どもから笑顔は消えますし、
夫婦が仲良くしていれば子どもも精神的に落ち着く傾向にあるのは、
ある意味、論理的。

この学校の先生方が子どもたちに向き合えているのは、

リーダーである校長先生が、
子どもたち、そして先生たちにしっかり向き合っているから

ですよね。

この校長が、愛に溢れ、我慢強く、コミュニケーション能力が巧みだからこそ、
先生も子どもたちもイキイキしているのだろうなぁと感じました。

「愛着障がいマニア(^^;」の僕は、
優れたリーダーを見た時に

「この人は親にしっかり愛されたから(愛着障がいがないから)、
 人を受け止め続ける力があるのか」

「親の愛情には恵まれなかったけれど、その事で逆にコミュニケーション能力を
 磨いて、人を支える力が付いたのか」

というような事を考えるクセのようなものがついていますが(笑)、
この校長先生はどちらなのかなぁなんて事も考えました☆

この作品の魅力のもう一つは、大阪弁(笑)!!

本作は「大阪」という場所だからこそ成立した映画、とも言えるかもしれません。
大阪弁の、あの何とも言えない味(笑)。

もしかしたら東京語であればキツく感じられる校長の言葉も、
大阪弁だと何だか柔らかく、優しさが感じられるし
(これは僕だけかな?笑)

全体的に常に笑いを忘れない大阪のノリが、
この作品を単なる「真面目で感動的な教育ドキュメンタリー」から、

「みなに愛される、笑って泣ける娯楽ドキュメンタリー」

に昇華させている部分もあるように感じます。

ああー、大阪弁、ええわー(笑)。

よく、障がいをお持ちのお子さんと、そうでないお子さんを
同じクラスにすると言われる事が

「学力が落ちる」

という議論です。

分からないではないです。

もし、障がいを持った方と接した事がなく、
その事によって自分が人間として成長した経験がなければ、

価値観の異なる人たちと接した経験が少なく、
その事によって自分が新しい価値観を得たという経験が少なければ、

こういった議論の出所は、分からないではないです。

でも、
障がいを持ったお子さんと接する事は、

はっきり言って、
学校での勉強と同じくらいか、場合によってはそれ以上の、

子どもたちにかけがえのない経験になると僕は思っています。

「人の気持ちが分かる、人を助けられる、優しい子になって欲しい」

と願うのであれば、
もしかしたら「必須条件」かもしれません。

勉強を頑張る事も大切ですが
(僕もそこそこ頑張ったさ、笑)、

こういった、

価値観の違う人たちと接する機会がなく、

言わば「頭でっかち」の大人になって、

どこまで社会に有益な人になれるのかな?

と考えると、僕個人としては大きな疑問があります。

IQが高くても、
EQ(心の知能指数)やSQ(社会性の知能指数)が低ければ、

・人の未来よりも儲けを大切にする企業
・地球環境よりも売上・利益を大切にする企業
・従業員やその家族よりも株主を大切にしすぎる企業
・そしてそれらを「資本主義だから」と何とも思わなくなってしまう人たち

を社会に送り出す可能性が高くあります。

ブラック企業やオレオレ詐欺なんかも、
EQやSQが高ければ絶対に起こりえないはず。

そもそも、
EQとSQの高い人が犯罪を犯す可能性は極めて低い。

この作品では、
障がいを持っていないお子さんたちが、
そうでないお子さんたちのサポートをする事で、
貴重な体験をし、人間として成長していっている姿が描かれます。

それは正に「教育の真実」なんじゃないかなぁと思います。

それに、
僕は「(とにかく)勉強しろ」と言うよりも、
子ども同士で競争させるよりも、

・まず親が勉強する!!(その姿を子どもに見せる)

・様々な経験・体験をさせる

・自分がなぜ生まれてきたのかを真剣に考える機会を与える

方が、子どもは遥かに、そして言われなくても勉強する

ようになると思うし、
その方が、IQ、EQ、SQのバランスが取れた大人になれるんじゃないかなぁ
と思います(誰かこういう研究してる人いないかなぁ?)。

とは言え、
この映画の舞台になった学校は決して学力は低くなく、
全国でも高い方だと、舞台挨拶をされた真鍋監督はおっしゃっていましたので、
そういうツッコミをしたい人向けに付け加えておきます(全く余談ですが、
監督が「まなべ(学べ)」さんというのがちょっと面白い、笑)。

この作品は単なる「学校教育」の物語ではないですね。

「大阪のある学校」を舞台に描かれた「日本という社会の縮図」という見方も出来そうです。

いや、と言うよりも、

・残念ながら、いまは出来ていない部分が多々あるけれど、

・僕らみんなで支え合っていけば、

・頑張れば目指せない事はない

という意味での、「日本という社会の縮図」。

僕は渋谷での公開一回目に参加したんですが、
終了後の舞台挨拶で宮城県から来た(すごい!!)という教員の方が

「僕らが本当はこうしたい、こうあるべきだと思っている学校の姿を描いてくれて、
 また明日から頑張れそうです」

というような事をおっしゃっていて
(すみません。一言一句正しいわけではありませんが)、

みながウンウンと頷いていたのが印象的でした。

どの子どものことも受け止めたい。
誰も差別する事なく愛情を注ぎたい。
どの子どもも誉められるに値する部分を持っている。

そう思っていても、
システムやストレスなどが原因となって、
そういう力を発揮できない先生方はたくさんいらっしゃるでしょうし、

それは学校教育の中だけでなく、
日本という社会全般に言える事かもしれません。

この作品を批判するのは「1+1=2」と答えるくらい簡単です。

「こんな学校は作れっこない」
「こういう姿を描いたら教員のプレッシャーになる」
「発達障害の子がいたら他の生徒の学力が落ちるんじゃないか」
「問題児が腐ったミカンのように他の生徒に悪影響を与えるんじゃないか」
「あの子たちの親は何をしているんだ」
「どうせあの子たちは社会に出てから役に立たない」
「うちの子があまり映っていない」(笑)

などなど、
いっくらでも思い付きます。

でも、この学校でやっているのは「言うは易し行うは難し」。

気に入らない部分を1つ探すんじゃなくて、
ポジティブに捉えられる部分を10個探して、

応援していく、
暖かい目で見守っていく、
他に同じような事をやろうとしている人たちを手助けしていく

というのが、この映画を観た人たちの役割なんかじゃないかなぁと思います。

「みんなの学校」は、
社会に属するすべての人が観るべき映画だと断言します。

もちろん、『うまれる』と『うまれる ずっと、いっしょ。』も
観て欲しいけど(自主上映会のお申込受付を開始しました!)、
同じくらい、「みんなの学校」も観て欲しい(笑)。

いや、「『うまれる』は観てないけど「みんなの学校」は観ました!」
と言われても許します(笑)。

本作と僕は何の資本関係もありませんし、
製作者と個人的なつながりもありません
(あ、公開初日に名刺交換しました!)。

単に、

【作品が素晴らしいから、社会を変える力があるから、多くの方に知っていただきたい】

と願っているだけです。

「日本の教育は「みんなの学校」以前と以後に分かれる」

そうなってもらえるよう、
この映画に大きく共感した僕は多くの人に伝導していきたいです。

この文章を読んで少しでも共感していただいた方は、
す〜ぐに観に行ってください♪

後悔する人は少ないと思います。
いや、人生観が変わる人の方が多いでしょう。

時間がない???

時間は作るものですよ!!(笑)

★「みんなの学校」
http://minna-movie.com/

監督・父
豪田トモ

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