ノルウェーのALS患者さん家族のお話

IMG_0434.JPG ※ノルウェーで出会ったラブリーなご家族

去年、2週間北欧に行った時に
ノルウェーで、ゆきさんという日本人女性にお世話になったんですが、

その旦那さまが「ALS」という病気と闘われていました。

ALSは、
最近はYouTubeで話題になった「アイス・バケツ」や
昨年放映されていた三浦春馬さん主演のテレビドラマ「僕のいた時間」、

著名な広告プランナーでALS患者のヒロさん
などをきっかけに少しずつ知名度が上がってきましたが、

よくご存知ない方のために症状をすごく簡単にご説明しますと(すみません)、

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脳から命令する運動ニューロンという神経が侵され、
筋肉が弱くなってしまうことにより、
少しずつ身体が動かなくなり、最終的には死に至ってしまう
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というものです。

現在公開中の映画「博士と彼女のセオリー」の主人公スティーブン・ホーキング博士が
世界で最も有名なALS患者かしれません
(ちなみにこの映画はめちゃ良かったです!)。

howking.jpg ※ 知らない人はいないでしょう、スティーブン・ホーキング博士

★ ALSについての詳細は以下のサイトなどをご参考ください。

http://www.als.gr.jp/public/als_about/about_01.htmlhttp://www.alsjapan.org/-ALS%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E7%97%85%E6%B0%97%E3%81%AE%E6%A6%82%E7%95%A5.html

アーレさんは、約5年前に、当時住んでいた日本で発症し、
意を決して母国ノルウェーに戻りました。

その時はまだ、一人で何でも出来る状態でしたが、
少しずつ症状が進行して、

【現在は脚の一部と顔の筋肉しか動かす事が出来ません】。

気管切開をして人工呼吸器をつけているために

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言葉を発する事が出来ず、コンピュータ画面の文字盤を
目で追う事で発する機械音と顔の表情だけで
ご家族とコミュニケーション
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をされていました。

アーレさんとは長い時間を一緒にいたわけではありませんが、
笑顔のパワーと眼力は、
とにかく衝撃的なまでに凄かったです。

『うまれる』シリーズに出ていただいた、18トリミソーの虎ちゃんと
出会った時に感じた眼力と笑顔を思い出しましたが、

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言葉を介してのコミュニケーションが難しい事で、
かえって、表情や眼から伝えられる情報というか意思というか
エネルギーのようなものが、言葉の何倍もの威力を感じました。
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映画「博士と彼女のセオリー」でホーキング博士を演じた
エディ・レッドメインは、
ホーキング博士本人と会い、

「今でも、博士は動くことができない。しかし、博士の目には活力があった。」

とコメントしているそうですが、
個人的にはとても良くイメージできます。

アーレさんには2人の娘さんがいます。
8歳と4歳の女の子。

ほんとーーーーに可愛いお子さんたちで、
僕とは会ってすぐに意気投合し、
たくさん遊んでもらいました(笑)。

母親のゆきさんによると、

「パパと身体的に遊んでもらう事が出来ないから、
やっぱりパパのような存在感を持つ人が恋しくてたまらなかったのかもしれない」

とおっしゃっていました。

アーレさんの身体には人工呼吸器や様々な医療器具があるため、
細心の注意を払って接しなければならず、
子どもが勢いのまま抱きついたり、飛びついたり出来ないのです。

それを聞いて僕はスイッチが入ってしまい(笑)、
「一緒にいる3日間だけでも!!」と思って、
アーレさんに思いを馳せながら、一緒に遊ばせてもらいました
(もちろんパパの代わりには到底なれませんが)。

肩車をしながら、
同じ年代の娘を持つ父として、

「我が子を抱っこできないというのは、どれほど辛い事なのだろう?」

「何か助けになれる事は出来ないかな?」

と強く感じました。

そこで、
日本に帰国してすぐに、コミュニケーション・ロボット「オリヒメ」の
開発者である吉藤オリィさんに相談。

オリヒメは、
インターネットを通して離れた場所から操作する事が出来る
コミュニケーション・ロボットで、

・病院や介護施設と家庭をつないだり、

・入院している子どもが学校や塾に「通ったり」、

・病気や怪我などで外に出られない人が「出社」したり、

色々な用途で使われています。

orihime2.jpg

実はオリヒメは日本国内でのALS患者さんにはよく使われているそうで
(特別なプログラムを開発されています)、

オリィさんは快く、オリヒメをノルウェーの地に旅立たせてくれました
(オリィさん、オリィさんを紹介してくれた明星先生、ありがとう!)。

オリヒメを家に置いておくと、
ネット回線でつながった先(病院など)から会話が出来たり、
上下左右に動かして家の中の様子が見れたりするので、

「まるでその場に一緒にいる感覚」

を味わう事が出来ます。

つい先日、ノルウェーでようやくオリヒメが軌道できたようですが、

「パパが帰ってきた〜!」

と娘さんたちは大喜びだったそう(!!!)。

orihime.jpg ※ 右の椅子の上にある黄色いのがオリヒメ 娘さんはパパと「おままごと」中(笑)

アーレさんも病院にいながら、

・家族と一緒に食事をしたり、

・奥様や娘さんたちの様子をいつも見る事が出来るようになった

ようです。

喜びの模様をアップされていた、ゆきさんのFacebookの投稿を、
許可をいただいて転送いたします。

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オリィさんが開発したロボットOriHimeちゃんを通して、
アーレが我が家にカメラを通じてしゃべってみて、聞いて、
OriHimeにリモートでアクションをとれるようになりました。

しゃべれなくても、病院先の視覚操作PCと、
こちらのロボットがつながって、
我が家の普段の生活を味わえるようになる。

面会にいっても、いつも器官の唾液や、
痰の除去作業などの医療行為にメインになっていて、
最近は私たちがいてもしゃべれるのは早々ない状況です。

こちらが一方的にしゃべって、アーレが目配せで合図をとってくれる、
それだけになっていました。

でも、今度はアーレが日常の我が家をライブで感じることができる。

こどもたちは早速自分の部屋につれていって、おままごと!!
ご飯をあげたり、心臓の音を聞くお医者さんやったり。

パパは手を上げて返事をしたり、首を振ったり、テキストを音声で発信したり!!

こうなると、再会がさらにすばらしい瞬間になるんだろうなぁ。。。

もう、今日は朝から興奮しまくりです。

このOriHimeがきてくれたことの意味は、
私たちの生活ではパパとの密接度が275度ぐらい逆になります。

ありがとう!

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原因が解明されておらず、治療法が見つかっていないALS、
早く、治療法が見つかる事を心から祈っています☆

★ オリヒメについてはコチラから
http://orihime.orylab.com/

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