臓器提供についてのニュースはたまに聞きますよね。
特に小さいお子さんのアメリカでの心臓移植についての募金のお話は時折、耳にします。
僕自身、寄付させていただいた事も、
『うまれる』のサイトを通じて呼びかけの転送をした事もありますし、
実際にそのようなご経験をされたご家族の取材をさせていただいた事もあります。
この心臓移植について、
多くの方がご存知でないかもしれない事があります。
それは、
心臓の移植は死亡した人からは出来ず、
「脳死」と判定された人からしか出来ない、という事です。
僕はいつか臓器移植・骨髄移植をテーマにした映画を作りたいなと思って、
この4年ほどリサーチしているのですが、その中でであったのが本書
「脳死・臓器移植の本当の話」(小松美彦著)です。
本書の主なテーマは
「脳死とは何か?」
という事なんですが、
そもそも脳死って「死」なの?
という疑問を投げかけられていて、とても複雑な気持ちになります。
・脳死者は臓器摘出時にはまだ生きていて、痛みを感じている可能性がある
・家族の呼びかけに反応することがある
・脳死者の妊婦が出産した事例がある
・19年間生き続けている者もいる
など、
固定概念を覆すような事例が多く紹介されていて、とても驚きました。
(本書より)
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アメリカのUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の小児神経学教授
アラン・シューモンが30年にわたる脳死関係の論文・記事を12,000件余り集め、
全脳死状態に陥ってから心停止を迎えるまでの時間を調査した。
その結果、175人(0.01%)の「脳死患者」(BD patient)の心臓が
少なくとも1週間は動き続けていたことが判明。
そのうち80人が少なくとも2週間、
4人が少なくとも1年以上のあいだ心臓が拍動しつづけた。
最長のケースは何と14.5年だったのである。
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1997年に「臓器移植法」が成立して以来、
日本でも脳死や臓器移植は既成事実となった感が強いですが、
治療のために臓器を待ち望んでいる人たちがいると同時に、
臓器を提供した側の「死」がどのようなものであるのか、
本当に「脳死」は「死」なのか?という点についても
議論を続けないと、単に人体ビジネスの立ち上げに
貢献するだけになってしまうのではないか?
という筆者の疑問も理解できます。
と同時に、臓器提供を求めるお子さんの親御さんの気持ちもとても分かる。。。
ちょっと難しい内容かもしれませんが、、、
脳死や臓器移植を通じて、「生きる」とは何なのか、
改めて、「命」とは何なのか、を考えさせられる1冊です。
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監督・父
豪田トモ