http://www.umareru.jp/blog/2013/09/post-1077.html
監督の豪田トモです。
久しぶりの投稿です。
先日、福岡に行った時に、
これまで上映会をしていただいた方々とのオフ会があったんですが、
その中に
ダウン症のお子さんを育てているママがいらっしゃいました。
僕は『うまれる』を製作する前に、
ダウン症の方が登場するドキュメンタリーを2本ほど作らせていただいて、
その時にとっても楽しい体験をさせていただいていたので、
ダウン症の方々にはものすごく親近感があります。
もちろん、育てていらっしゃるご家族にとっては様々な想いや苦労、不安、
一言では言い尽くせないお気持ちがあると思いますが、
僕にとってダウン症の方々は、
ピュアで愛らしく、人間としての原点を思い出させてくれるような、
社会にとって貴重な存在の方々というイメージがあります。
世の中、「接してみないと分からない」事ってあると思いますが、
僕はその代表格がダウン症の方たちではないかなぁとも思っています。
ダウン症というと「障がい」の1つでもあるので、
「可哀想」という印象を持たれる方も多いのかもしれませんが、
実際に触れ合ってみると、
障がいの程度にもよるかもしれませんが、
こんなに純粋で、
笑わせてくれる人には出会った事がないというくらい、
スペシャルな人たちです。
ダウン症の方々が、
相手が怪我をするほどの危害を他人に加える事はありえませんし、
相手がトラウマになるほど精神的に傷つける事はありえません。
ダウン症の方々と接する事は、
人生を生きる上でプラスにこそなれ、
マイナスになる事はありえない
と思っています
(だからこそ、社会の理解を促進して皆で支え合う仕組み作りが必要)。
「資本主義」「生産性」という観点からのみで捉えると、
別の意見もあるかもしれませんが、
僕は個人的に、
生きとし生けるものを「資本」や「生産性」、つまり「お金」
という視点からのみで評価するのは、とても残念な考え方だと思っています。
自分がそう捉えられたらどう思うんだろう?
100歩(いや1万歩)譲って、若くてエネルギーもあって
それなりの経験があるうちはまだ良いかもしれませんけれど、
人生には「晩年」というものがあり、
誰しも「障がい」というものを持つ可能性があるのですから、
もっと広い視点で人間を見た方が、
誰にとってもプラスなんじゃないかなぁと思っています。
あくまで個人的に☆
今回のオフ会に参加されていたママは、
ダウン症を育てている親のサークル「サニーの会」というのを
作られていると伝えていただいたんですが、
目からウロコだったのが、
「"ダウン"というと印象がネガティブだから
もっと明るそうな"サニー"にしました!」
という言葉。
そうだよね!
たしかに!
「ダウン症」という名称は、
イギリスのジョン・ラングドン・ダウンという眼科医が発表した
論文によって、彼の名前を取って通称「ダウン症候群」と
言われるようになったんですが、
この人の名前がジョン・ローズマリーだったら
「ローズマリー症候群」だったかもしれないし、
ジョン・ラブだったら「ラブ症候群」だったかもしれないんですよね(笑)。
たしかに「ダウン症」というネーミングによって、
世間的なイメージは下に向いてしまう面があるかもしれないので、
「サニー」
というような名前にするのは、「実態」を表しているし、
良いなぁと思いました。
その時、僕が提案したのは
「改名運動したらいいんじゃないですか?」
という事でした。
「ダウン症」から「サニー症」とか「ハッピー症」とか、
どういう名前になるのか分かりませんが、
もしかしたらネーミングの変更によって
社会の理解が進むのであれば、それは選択肢の一つかもしれません。
「改名運動なんて無理」と思っている人も多いかもしれませんが、
世の中、真剣に取り組めば不可能な事はそんなにないと思うんです。
『うまれる』シリーズに登場いただいている、
18トリソミーの虎ちゃんのパパは、
「18トリソミーってどんな病気(障がい)なの?」
と聞かれると、
「顔が可愛い病気(障がい)だよ」
と答えています。
こういうのってサイコーだよね!!
プレゼンテーションの仕方によっては、
どんな障がいや病気にも、
別のベクトルがありえる。
そしてそれは、僕らの行動次第なのかもしれないなぁと思います☆
監督・父
豪田トモ
PS: "障がい"をテーマにしたブログやFBの記事を書くと、
必ず細かなツッコミをされる方がいらっしゃるのですが、
それによって皆さんの「理解しよう」「支えよう」という機運が後退しますので、
お互いに暖かい目で見守っていけたらいいなと思っています。