だいぶ前の話ですけれど、
4歳の娘・詩草(しぐさ)と一緒に近所の公園に行った時の事。
天気の良い日だった事もあって、たくさんの可愛い子どもたちが遊んでいました。
娘はさっそく大好きな滑り台をしようと思ったら、、、
なかなか降りて来ようとしない。
見てみたら、
滑り台が水と泥でびっちょびちょ。
とてもじゃないけど遊べる状態ではありませんでした
(ま、全く気にしない子もいると思いますが、うちの娘は気になったみたいで)。
なんでだろー。。。?
と思った次の瞬間、小学2-3年生の男の子たちが水鉄砲を打ちまくりながら、上へ下へと走り回る姿が飛び込んできました。
おそらく、びちょびちょ滑り台もこの子たちの仕業だろう。。。
こういう時、赤の他人の親はだいたい、こんな事を思うと思います。
(我が子のためにも、他の子どもたちのために注意した方がいいかな、、、
いや、
親御さんの理解が少ない人だったら後で面倒な事になるかもしれない。
どうしようかな、、、)
ちょっと考えていたら、
その子たちの一人が、明らかに僕に向かって水鉄砲を打ってきました。
まぁ、子どものやる事だからと思いつつちょっとムカッとしたけど(笑)、
それ以上に4歳の娘はイヤーな顔をして僕を見ます。
(全く、親は何してるんだ。。。)
と思いつつ、
「ねえねえ、お母さんはどこにいるの?」
とその男の子に聞くと、
「あっち」
と指さした、だ〜いぶ向こう側で、
ママさんたち数人が丸くなって立ち話に夢中になっている様子がうかがえました。
ママさんたちは我が息子たちが公園を汚して、
誰も滑り台が出来なくなってしまう状態になっている事なんて
全く気づいていない雰囲気。。。
「ねぇねぇ、ここはさ、水鉄砲やるとみんなにかかっちゃうよね?
この滑り台、もうびしょびしょになって使えなくなっちゃってるでしょ〜?
もしさ、自分が使おうとしている滑り台がこんなにびっちょびちょだったらどう思う?」
と、威嚇と笑顔を織り交ぜて言いました。
僕の経験上、やんちゃ坊主は最初のアプローチが大事。
優しく笑顔で接するだけだと全く言う事を聞かない事も多いので(笑)、
ある程度、「この人、怒ったら怖そう」という印象を与えておくのも一つかなと思っています。
でも、怖いだけの人になっちゃうと後で面倒な事になるかもしれないので、
笑顔を忘れずに語りかけるようにしています。
すると、男の子たちは分かったような分からないような顔をして、
何も言わずにどこか他のところにパッーと走って行きました。
無視されたような気分になってちょっとムッとしたけど(笑)、
(ああ、良かった。でもこの滑り台、どうしよう。。。)
と思っていたら、打ち合いに熱中する男の子たちがすぐに戻ってきて、
僕の顔に思いっきり水がかかりました。
でも男の子たちは何も言いません。
チラッと見つつ、楽しい水鉄砲を続ける事と「ごめんなさい」を言う事を天秤にかけて、
一瞬にして前者を選択しているような感じでした(笑)。
そこで僕が考えた選択肢は4つ。
選択肢1.
何も言わずに我慢して娘と遊ぶ。
選択肢2.
別の場所に移動して遊ぶ。
選択肢3.
それなりに注意して、後でママさんたちには笑顔で事情を説明する。
選択肢4.
ガキどもを思いっきり叱って追い出す(笑)。
僕の中では「選択肢. 3」が有力で、頭の中でシミュレーションしてみたんですが、
その時に
(この子たちって、いつもこういう腕白坊主なんだろうなぁ。。。)
とフト思いました。
(と言う事は、今は話に夢中になっちゃっているけど、家でも外でも、
ママさんたちもよく叱ってるんだろうな。。。)
(でもなー、、、叱っても叱っても言う事聞かないんだろうな(笑)。
俺も小さい時そうだったしな! わっはっは!)。
(、、、、ああ、そうか、、、、、
という事は、男の子のママさんたちって、もしかしたらオレみたいな赤の他人に
「おたくの息子さんは、、、」と注意されたり、
何かやらかして頭を下げたりする機会も多いのかもしれないな。。。)
(いっつも叱って、いっつも謝ってばかりだと注意するのが面倒臭くなる事もあるだろうし、
たまにはやんちゃな息子のお守りは忘れて、友達と話に夢中になりたくなる時もあるよな。。。)
うーん。。。
男女差別というわけではないんですが、
やっぱり娘や同年代の女の子と男の子を比べると、
男の子の方が明らかにエネルギーが多く、動き回り、
大人たちを困らせる機会が多いように思うんですよね(笑)。
我が家にはよく色んなお子さんが遊びに来たり、泊まりに来たり、
キャンプに行ったりもしますが、
接すれば接するほど、
男の子の方が面倒を見るエネルギーがかかる
事に気づくようになってきました。
家の中で色んなところをいじくりまわそうとするのはだいたい男の子だし、
ベッドが壊れるから飛び跳ねないでと言っても言う事聞かないのもだいたい男の子(笑)。
体力のいりそうなフィジカルな遊びを求めて来る比率は男の子の方が多いし、
キャンプ場でどこにいったか分からなくなるのもだいたい男の子(笑)。
こういう統計って見た事がないので科学的とかそういう話ではないんですが、
あくまで僕の印象では
「男の子を育てるのは女の子を育てるよりもエネルギーがかかりそう」
という事。
男の子のママには「大変そうだな。。。」と思う事が多いんです
(もちろん年齢によって変わってはくるでしょう)。
おそらく子育てのストレス・レベルは女の子を育てるよりも高いでしょうし、
いつも叱ってばかりいる自分に自己嫌悪のようなものを感じる比率も多いでしょうし、
周りにとやかく言われる機会や、何かやらかして謝る回数も多いでしょう。
うちの詩草(しぐさ)も女の子の割にはかなりお転婆ですが、
男の子たちと比べると、まだ楽な方かなと思う事も(笑)。
時折、「女の子だったから良かったけど、
40歳すぎて男の子を育てるのはハンパないだろうな。。。」と思います。
そう考えたら、、、、
水鉄砲小僧たちの事も
(ちょっと我慢しようかな。。。)
と思って、男の子たちを叱るのはやめました。
子どもというのは、
注意しようと思えば、いくらでも注意できるくらい事をしてしまうけれど、
その度ごとに口を挟んでいると、その子の独創性を奪ってしまう結果にもなりえます。
それは保護者に対しても似たようなところがあり、
事細かに親の責任を追求していると、
子育てをするエネルギーを親から奪ってしまい、
そのストレスが子どもにも伝染する事になる。
もちろん諭したり注意したりする事も必要な場面はありますが、
「赤の他人という社会」
は、子どもや親がやらかした、ちょっとした事に毎度毎度、指をさす事以上に、
背景や状況を理解し、暖かく見守る事も大切なんじゃないかな、、、
と思いました。
ま、もちろん、程度によりますけどね。
赤の他人から注意されたり叱られたりする経験も大切ですし、
もしかしたら親御さんにとっても有り難い時もあるかもしれませんが、
今回は見守らせてもらう方にしました。
という事で、僕は注意するのをやめる代わりに、
何をしたかと言うと、、、
その子たちと一緒に遊ぶ事にしました(笑)。
僕自身が水鉄砲の標的になる事にして、
滑り台とか公園の遊具があるところから少しずつ離れていき、
男の子たちが他の子どもたちや遊具を濡らさない距離で遊べるようにして、
娘のもとに戻りました(東京は子どもの遊び場が狭い。。。)。
すると、娘の詩草(しぐさ)は滑り台を楽しそうに滑ってるんです。
(あれー???)
と思ったら、
あんなにびちょびちょだった滑り台は、誰かによって綺麗に拭き取られていました。
無意識の見守り連携プレー(笑)?
こう考えると、おそらく女の子を育てている僕なんかも、
知らないところで知らない人に見守りプレーを
幾度となくしてもらっているんだろうなぁと思います。
子育てって親だけがやっているように見えて、
実は無数の支えの中で成立しているんだろうな☆
監督・父
豪田トモ