結婚2年目の春、赤ちゃんを授かりました。
22週を過ぎた健診で心奇形の疑いありと大学病院を紹介され、
そのまま出産まで10週間を病院で過ごしました。
18トリソミーとの診断で、お腹の中で、
いつ命が途絶えてもおかしくないほどの重篤な状態でした。
でも、私がいるのは産科病棟。
産まれる命がたくさん集う場所です。
私の病室は分娩室の近くでしたので、
お産が始まる時は病院スタッフの足音でわかります。
『あぁ、また始まるな』
『よかった、元気に産まれてきたね』
産声を聞いてはホッとし、
でも気が付くと大粒の涙が頬を伝い声をころして泣くという夜を何度も過ごしました。
わが子は仮にお産したとしても、
それは死につながることを意味していましたし、
亡くなってしまう命をお腹で育てているという背反した現実が、とてもとてもつらかったです。
それでも病院スタッフみなさんの支えがあり臨月を過ぎた数日後、
陣痛がおこり出産することが出来ました。
息子はお産の途中で息絶えてしまいましたが、かわいいわが子を胸に抱き、
そのぬくもりを感じることができました。
息子が亡くなって1年後、再び男の子を授かりました。
やんちゃ過ぎて、やれやれと思うことも多いのですが、
もしかしたら亡くなった息子の分も一緒に子育てしているのかもしれません。
★ 映画『うまれる』の体験談より
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