こんにちは!
監督の豪田トモです!
最近では、半数以上の小学校で行われているという、
10歳になる子ども達の成長を祝う「2分の1成人式」。
心も身体もぐっと成長していくこの時期に、成長を祝い、
生まれてきたことに感謝をする機会を持つことは、
子ども達にとっても保護者にとっても
有意義な時間になるんじゃないかなぁと思います。
ただ、
「2分の1成人式」の開催に関しては、
・ひとり親に育てられている子
・親が離婚して継父・継母に育てられている子
・虐待を受けている子
・親と一緒に暮らせずに社会的養護を受けている子
など、
様々な家庭環境の子どもさん達がいるため、
【家族や両親への感謝をテーマにすべきではないのではないか】、
という議論も少なからずあるとお聞きします。
それはそれで一理あるとは思いますが、
僕は
【喜び、祝う、という事は比較対象外に大切な事】
なんじゃないかな、と思います。
もし、一部の境遇の人たちに配慮する事を大切にしすぎる事で、
例えば、
・成人になった事を喜べない人がいるから成人を祝わない
・結婚できない人がいるから結婚を祝わない
・ 子供を授からない人や流産・死産を経験した人がいるから
妊娠・出産を祝わない
・長寿の前に寿命を全うした人がいるから還暦や古希を祝わない
となったら、どうでしょう?
何とも寂しい世の中になりませんか?
医療が発達したおかげで
主に乳幼児期の死亡率は劇的に低下しましたが、
21世紀になっても、
産まれ、そして生き続ける事は
決して当たり前の事ではありません。
全妊娠の10-15%は自然流産になると言われ、
安定期に入ってからの死産は、大幅に減ったとは言え、
年間4,000人以上あります。
出産時の妊産婦死亡は年間約50人。
明治時代の女性の死因の第二位が出産であったことを考えると、
かなり環境は良くなっていますが、約50人の大切な人を
亡くされた方々がいらっしゃいます。
どんな境遇にある子ども達も、
かけがえのない命として誕生し、
10歳まで成長してきた、というのは奇跡の連続であり、
保護者を中心にその成長に貢献した人たちがたくさんいらっしゃいます。
成人まで半分通過したこの時期、
一般的には自我や自立意識が芽生え始め大人への一歩を歩む一方、
イジメなどの児童間の問題も始まります。
"10歳まで成長した"ということを純粋に祝い、
産まれてきたこと、育ててもらってきたこと、
生きてくれていること、成長してきてくれたことに
親子が感謝をすると同時に、
親子での関わりを増やし、
お互いの存在や絆を見つめ直す機会として、
「2分の1成人式」を前向きに捉えられたらいいな、と思い、
映画『うまれる』の「2分の1成人式」バージョンを製作いたしました。
◆映画『うまれる』の「2分の1成人式」バージョンの詳細
http://www.umareru.jp/half-ceremony.html
また今回、
「2分の1成人式」バージョンを作った直接的なきっかけは、
25年ぶりに会った高校時代の同級生の「無茶ぶり」でした。
「もうすぐ10歳になる次男に『うまれる』を見せたいんだけど、
うちの息子は100分も座っていられないから、30分にしてよ!!」
。。。
おいおい、それじゃあ30%しか残んないじゃんかよ(笑)。
俺がどれだけの思いをして4年も5年もかけて、
莫大な借金を背負って映画作ったのを知らんのかい!!
と言いたかったけど、
その母親は
子供が3人とも男の子という事もあってか、
育てるのが本当に大変で、
毎日、怒ってばかり、謝ってばかり。
乱暴な事はしょっちゅうするし、
無茶な事ばっかり言うし(それは親に似てるなと思いましたけど、笑)、
将来が心配だ、
命とか家族とかどれくらい大切な事なのか全くわかっていない、
と目を赤くさせながら語っている姿を見て、
僕は何も言えなくなってしまったのです。
それから
スタッフ一同で
「2分の1成人式」バージョンの検討を始め、
ああでもない、ここでもないと言いながら再編集し、
何度も試写をし、
「これなら、子供たちの人生にとって大きなインパクトの残る作品になるぞ!」
というものが完成しました。
実際に数人の10歳前後のお子さんたちにも見てもらいましたが、
しっかりとメッセージが伝わっている事がわかりました。
特に、
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親子で一緒にご覧いただくと、子供たちが色んな問いかけを
してくれるのでぐっと会話が広がり、親子の絆が深まった、
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と報告を受けています。
これまでの『うまれる』は親だけが観て、感動し、日々の意識が変わった、
というのだけでも素晴らしい事だけれど、
「2分の1成人式」バージョンであれば一緒に観れるし、
一緒じゃなかったとしてもちゃんと観てもらえるので、
【また新しい『うまれる』の一面が「うまれた」】
ともおっしゃっていただきました。
先月の有料メルマガで先行オンライン上映をさせていただきましたが、
さっそく嬉しい感想をいただきました。
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何度も見た「うまれる」ですが、産まれることに集中できて、
ここにいられる奇跡を改めて感じられる内容でした。
ちょうど長女が今年、10歳で来年1月に1/2成人式が控えています。
10年...いたらない女性だった私を、
よくここまで母にしてくれたなぁと振り返りました。
「こどもって...親を許す天才だから。」
誰かがそんなことを言っていたのですが、日々の生活の中で、
怒りすぎたりしていることも反省します。
ここにいる奇跡を感じて、これからも子供たちと一緒に親として成長していきたいですね。
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生まれてきた全ての子ども達が幸せに成長できますように!
◆映画『うまれる』の「2分の1成人式」バージョンの
詳細やお申し込みはこちらから
http://www.umareru.jp/half-ceremony.html
監督・父
豪田トモ