こんにちは、豪田トモです。
「コウノドリ」第4話を観て感じたことを書こうと思うのですが、、、
これはあんまり共感を得られないだろうな、、、
と思いつつ、敢えて書いてみようかな、と思います。
先週の「コウノドリ」第4話は、
帝王切開で1人目を生んだお母さんが
2人目は経腟分娩をしたい、というお話がメインで
NICUで頑張っている赤ちゃんのパパとママのお話などもありました。
皆さんは第4話、どう感じられたでしょうか?
人それぞれなので分かりませんが、
周りの反応を見ると、
もしかしたら、これまでの3話に比べて、
イマイチ感動が少なかったなぁ、と感じた方もいるかもしれませんね。
と言うのも、
作り手の僕から見ると、
今回の「コウノドリ」は
とてもチャレンジングで難しいテーマに挑んでいた
からだろうと思うんです。
今回、おそらく製作者側が取り組もうと思ったのは、
「帝王切開で産んだから子育てが上手くいかないんだ。
自然分娩で産めばちゃんとした母親になれるかもしれない!」
と経膣分娩を望むママの物語を感動的に描くというよりも、
【疲弊する周産期医療の現実を描くこと】
だったんじゃないかなぁと思います、実は。
それは
・ 新しいスタッフを探し求めて医療施設を転々とする
今橋・周産期センター長(大森南朋)
・ 妊婦だけでなく、スタッフにもかかるリスクと負担が大きいと、
トーラック(帝王切開後に経膣分娩にトライすること)に
乗り気でない四ノ宮先生(星野源)&麻酔科などその他スタッフ
・人手がいない中で懸命に仕事に取り組む白川先生(坂口健太郎)
・皆が忙しくしている中でさっさと帰ってしまう研修医(宮沢氷魚)
などの多面的な様子からも、うかがい知れます。
以前、原作者の鈴ノ木ユウさんとも話したことがあるんですが、
周産期医療を取材したことのある人は
だいたい途中で気付くんです。
「産科医も助産師もかなり疲弊している。。。これはまずいぞ。。。」
と。。。
この点は『うまれる』の書籍版でも書きましたが、
周産期医療の現場というのは、
いのちが産まれる感動的な場である一方、
・ いつ産まれるか分からない赤ちゃんを待つため
時間的な負担がかかりやすい。
・ 初産年齢が年々上がっており、それだけ難産になる確率も増えている。
(→NICUのお世話に赤ちゃんも増えている)
・ 当然のことながら妊産婦さんは大切な赤ちゃんの出産を控えて
ナーバスなことが多いので、医療従事者に精神的な負荷がかかりやすい。
・ 患者さんはみな「産まれて当然」と思っているので、
あまり感謝の声をかけられないどころか、
何かあればすべて医療従事者の責任にされてしまう。
(産婦人科は医療訴訟が最も多い科です)
などから、
医療従事者は疲弊しがちで、
やりがいを感じられなくなり、
バーンアウトして辞めてしまう
といったことが現実的に大きな問題になっているようなんです。
以上に書いたようなことは
どの医師、助産師、看護師に聞いても、
だいたい皆さん、同じような話をされます。
ただ、
これらは医療従事者側の立場の話であり課題であるため、
患者さん側にはなかなか伝わりにくい話なんですよ、どうしてもね。
「でもプロでしょ?」
「それでお金もらってるんでしょ?」って。。。
今回の「コウノドリ」第四話でも、
このテーマを正面切って語ることはうまく避けていたように思いますが、
もしかしたら視聴者の皆さんは
どうもちょっと説教されているような感じを受けたり、
うまく書けませんけれど、
こういったことから物語に共感しきれず
(トーラックを望むママも共感しにくいキャラ設定だったかもしれません)、
感動がいつもよりも薄くなった可能性もあるかもしれないなぁ、
とも思います。
ただ、
これは周産期医療の現場では切実な話で、
誰かが患者さんに伝えて欲しい、と常に願っている現実。
医療従事者側にとってはありがたい内容だったんじゃないかなぁと思いますが、
一般の視聴者にとっては共感しにくい内容だったかもしれません。
難しいテーマですよね〜。。。
(ま、周産期医療のテーマはいつも難しいんですが(^^;)
患者さん側に立てば、
一生の中でも最大級の「出産」という出来事に対しては想いも強いし、
その分、感情の振れ幅も大きくなりがちで、
それは理解できる話。
一方で、
それに逐一対応しなきゃいけない医療従事者側も大変なことは間違いない。
こういう状況では何が大事になってくるのかなー。
やっぱり、人としての基本中の基本、
・明るく笑顔を忘れないこと
・感謝と労いを伝えること
・産まれること・生きることは当たり前ではないと意識すること
をお互いにやって、
謙虚にコミュニケーションを取り合うってことなんだろうなぁって思います。
与えてもらうこと、
助けてもらうことって当たり前じゃないですからね。
今週は感動は少なかったかもしれませんが、
難しいテーマに敢えてチャレンジした点は評価されるべきだよね、と思います。
来週も楽しみにしています★
今週のキーワードは「屋形船」でしたね(笑)。
監督・父
豪田トモ
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「コウノドリ」の原作者・鈴ノ木ユウさんからもメッセージが
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★ 「コウノドリ」第3話 子宮頸がんと産後うつ
http://www.umareru.jp/blog/2017/10/post-1950.html
http://www.umareru.jp/blog/2017/11/post-1952.html
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