「手術が終わりました」
案内されて部屋に入ると、
頭部にいくつもの針を縫い、
身体中に管をつけて、
酸素ボンベで朦朧と呼吸をしている妻が、
死んだように目をつむっていました。
正直、ギョッとした。
けれど、それは出さずに、
得意の(?)満面の笑みで
「おつかれさま」
と声をかけた。
妻は声をほとんど出せない状態だったけれど、
ゆっくりと手を伸ばしてきたので、ぎゅっと握ると、
ぎゅっと返してきました。
今度は妻が、ぎゅ、ぎゅっと二回握ってきたので、
ぎゅ、ぎゅっと二回返すと、
妻の頬を涙がつつーと垂れました。
すんごく怖かったんだと思います。
開頭手術の直前にドクターから
オペ中に亡くなってしまう可能性、
視力が無くなってしまう可能性など、
後遺症のリスクについて淡々と説明を受けている時、
僕が気づかないところで泣いていました。
いのちがあるって
健康でいられるって
こんなに素敵なことはないですね☆
監督・父
豪田トモ