川崎殺傷事件に思う「子育て」の重要性

48287.jpg ※ 写真は、Yahoo!ニュースより

先週、川崎市で酷い事件が起きました。

残忍で許しがたい。

僕も強い憤りを感じています。

子どもを育てる身としても、他人事とは思えません。

僕がこの事件を受けて感じたことを
一つあげるとすると、

子育てというのは、真剣に取り組まないと、大変なことになる!!

ということです。

今回のような凶悪事件においては、
あまり詳しくは語られないことですが、

こういった事件の背景にはほとんどの場合、

子育て、そして親子関係が

鋭く影響しています。

記憶に新しい、

・秋葉原無差別殺傷事件 
・池田小学校事件
・神戸・酒鬼薔薇事件
・佐世保市女子児童殺害事件

などなど、
こういった

残虐な加害者にすべて共通しているのが、
前々から僕が指摘している

「愛着障がい」

です。

・虐待および虐待的育児
・両親からの無条件の愛情と信頼の欠如
・親の不在、親との離別、保護者がいない状態
・両親の不仲

などによって
(ここに「いじめ」も加わるケースも多い)

加害者は、親子の適切な愛着形成ができずに

深い「愛着障がい」を抱えていました。

「愛着障がい」を持つ人は

自己肯定感がうまく育まれず

パーソナリティーに歪みを生じます。

そうすると、

人間関係がうまく築けず、

孤立しがちになります。

自分の居場所もなくなる。

親に対する怒りや失望が

社会に対する憎悪

につながっていくのです。

詳しくは既にたくさんの記事があるので割愛しますが、

例えば、

秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大容疑者は
母親からの強い教育虐待があり、深い愛着障がいを持っていました

(ブログには「もし1人だけ殺していいなら母親を 
もう1人追加していいなら父親を」などと書き込んでいたようです)。

池田小学校の犯人・宅間守は、
4歳くらいまで祖父母宅に育てられ、
優秀な兄と比較されて続け、ありのままの姿を受け止められてこなかった
という背景があります。

※ 凶悪犯の家庭環境や子育てについては、
岡田尊司さん著「誇大自己症候群」や尾木直樹さん著「よい子が人を殺す」
など、様々な本に書かれています。

今回の川崎市の事件の犯人像については
既に報道にも出ているようですが、
こういったプロファイルに合致します。

一つ書いておきますが、
僕は彼らが被害者だと言いたいのでは断じてありません。

親との愛着形成が出来なかったからと言って、
あのような命を粗末にする行為が許されるはずがない。

僕だって長い間、愛着障がいを抱えて生きてきたし、
生きづらさを感じながらも頑張って生きている人たちはたくさんいます。

僕が言いたいのは、

あのような極悪人を生み出さないようにするためには、

そういった背景に子育てと家族形成の失敗がある

という学びをしっかりと活かしていかないと、

凶悪犯人は次々と生み出され続けていく、

ということです。

親は子どもに無条件の愛情と信頼を与え続け、

親はそれを実現し続けられるように、

経済的・社会的・精神的サポートを与え続けなきゃいけない

と思うのです。

我が子だけが幸せな社会なんてありません。

いくら愛されて育てられたとしても、
このような犯罪の被害者になることがある。

あらゆる犯罪の加害者は、

いつだって、しっかりとした子育てがなされてこなかった人たち

なのだから。

僕は10年以上に渡って、
「命と家族」をテーマに取材・撮影を続けてきました。

妊娠・出産・育児が主なフィールドですが、
介護、終末期、ジェンダー、自殺、依存症、うつ、闘病、犯罪など
幅広い観点から「命と家族」を捉える活動してきて痛感するのは、

子どもがすくすく育つには、

誰もがいのちを輝かせるには、

そして、ダークサイドに落ちないようにするためには、

親子関係と愛着、そして家族形成が

いかに重要かということです。

あのような犯罪をおかす人物にも、

お腹の中にいた頃があり、

よちよち歩きをしていた時期があり、

可愛がられて抱っこされた時もあるはずなんです。

子育てってホント、大事......。

こんな大切なこと、みんな、ちゃんと勉強してやってるのかな......。

みんな、自分の子が将来、

犯罪者になるとか、

精神疾患を抱えるようになるとか、

依存症者になるとか、

想像してないでしょ?

そういう状態になってしまった
幾多の方々に取材してきましたが、

誰一人として、

親から適切な子育てをされてきた人はいないんです。

誰一人として。

親御さんにも取材したことは何度もあるけれど、
みなさん、自分の中では一生懸命やってきたつもりだったように見えます。

でも、

子育てや家族形成について、驚くほど勉強していない。

仕事のことや投資とか、
趣味とかはそれなりに時間を取ったり勉強したりするのに、

子どもとどう接するべきかを学ばないって、

実は「命を軽んじる行為」にも等しいんじゃないか......

とも思ってしまうことがある。

今こそ、

子どもにしっかりとした愛情と信頼を注ぐこと、

子育てをしている人を社会的、経済的、精神的にサポートする事を

訴えたいです。

最後に、
事件で亡くなられた方にはご冥福を祈るとともに、
回復中の方々、そしてご家族の方々に
精神的に寄り添われる環境が用意されることを願ってやみません。

監督・父
豪田トモ

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