僕はいまドキュメンタリーを作ることが多いのですが、
近年、特に、
映画に出てくださる一般の方々に対して、
ある想いが強くなっています。
それは、
撮影をすることで、その人たちの人生が良くなってほしーーい!
ということ。
「魂を悦ばせる」ために撮影をしよう!
登場人物の方々にも「映画に出てよかった!!」
と心から思ってもらえるようにしたい!と思っています。
ただ、登場人物の人生に関わっていくという
僕たちのドキュメンタリーの作り方は、
ちょっと変わっていると思います。
「ドキュメンタリーは客観的に撮影しなければならない」
「第三者目線で撮らないといけない」
というのが、原理主義的なドキュメンタリーなスタイル。
つまりは、
「ドキュメンタリーは、ありのままを映したものであるべきで、
登場人物の問題に介入してはいけない!!」
と考える人も多いんですね。
数回程度の撮影であれば、「良い思い出」くらいですが、
僕らのドキュメンタリーは数年に渡ってのお付き合いになることが多く、
新作映画『ママをやめてもいいですか!?』
(ナレーション: 大泉洋、2020年2月29日公開)
は撮影からもうすぐ3年。
ここまで関わって、
人生に何の影響も及ぼさないわけがないですよね???
そこで前向きな僕(笑)。
せっかく人の人生を変えてしまうのなら、
良い方向に進んでほしい!
と思うし、
それが撮影者である僕の務めであり、
そのために、出来る限り、頑張っています。
もし、親子関係に分断が出ているなら、
再びつなげる努力を一緒にする。
夫婦関係に問題があるなら、一緒に向き合う。
愛する人が亡くなってしまったのなら、
その悲しみに寄り添う。
出産することに不安が強ければ、
その不安をほぐしていく。
これをやり続けるにあたって、
僕が途中で気づいたことは、
(ドキュメントを撮る)
「ドキュメンタリスト」は「メンタリスト」にならないといけない
ということ。
人のメンタルをしっかりと理解して対応できないと、
カメラの前で話してくれないし、
抱えている問題を共有してくれないし、
一緒に解決していく糸口を探していくことも出来ない。
メンタリストにならないと
出てくださる方々を助けることが出来ないんですよね。
だからたくさん勉強するし、
常に神経を研ぎ澄ましてないといけない。
他人の人生を背負うって、
とてつもなく責任のあることだし、
精神的な負担もストレスも多い部分もありますよね。
正直、僕らも完璧ではないから、過去に失敗したこともある。
でも、
関わった人たちの人生が
みるみる良くなっていくのを見るのって、凄いこと。
いわば、新たに『うまれる』姿に立ち会わせてもらうのって、
実に光栄なことです。
映画『ママをやめてもいいですか!?』でも、
何人かの方々が再び『うまれる』姿に立ち会わせてもらいました。
映画ではあるけれども、
いろいろな形で人が『うまれる』姿を見るというのは、
きっと、見てくださる方々にとっても、忘れられない体験になるんじゃないかなぁ〜、と思っています。
監督・父
豪田トモ
ただいま映画『ママをやめてもいいですか!?』は
映画館とオンラインと同時上映中です!
(オンラインは3月13日まで)
ぜひご覧ください!!
★ 映画『ママをやめてもいいですか!?』(ナレーション: 大泉洋)
新宿シネマカリテにて公開中!!
http://www.umareru.jp/mamayame/