最近見た映画と絡めて、
敢えて、議論を呼びそうなことを書いちゃいました。
刑務所の中で2年間撮影をしたという
ドキュメンタリー映画「プリズンサークル」。
日本の刑務所にカメラが入るなんて前代未聞!!なことだと思うけれど
(作った人たちすごい!! お疲れサマーです!!)、
半分、物珍しさもあり、
半分、僕がライフワークにしている
「愛着」の物語を確認すべく、鑑賞しましたが、
いや〜、力作〜!!!
モザイクがかかっているけれど、
詐欺や殺人、強盗などで服役している人たちが、
犯行当時の様子やその後の感情、
そして子どもの頃の記憶などについて赤裸々に話す
貴重なフィルム!!
子どもを育てている人、社会で生きる人の全てが見るべき映画です。
本作が鑑賞に値する理由の一つが、
舞台となっている島根あさひ社会復帰促進センターの新たな試み。
受刑者同士が
対話をベースに
犯罪の原因を探り、
更生につなげていく、
というプログラムを、日本で唯一導入しているのだそうです。
「愛着」について僕は前々から書いていますが、
この映画の中でも、
犯罪者になる遠因
として語られているのは、
やっぱり残念ながら、
家庭環境と親子関係、愛着の問題です。
虐待
ひとり親
両親の夫婦仲の悪さ
施設育ち
いじめ経験
などの生育歴に、
理解・サポートの不足、
生きづらさが重なることによって犯罪者になっていく、
と言うメカニズムは、もはや
「公式」
と言っていいくらい、
明らかで、論理的な結果のような気がします。
川崎市登戸通り魔事件
秋葉原無差別殺傷事件
池田小学校事件
神戸・酒鬼薔薇事件
佐世保市女子児童殺害事件
などなど、
有名な凶悪犯罪だけでなく、
多くの犯罪は「愛着障がい」がベースになってしまっている
と言われています。
もちろん、
誤解のないようにしていただきたいのですが、
施設で育った人でも、
ひとり親家庭で育っても、
虐待を受けても、
両親の仲が悪くても、
大半の人が犯罪を犯すわけではありませんので、
偏見を持たれるべきでは、絶対にありません。
その点では、本人の責任であることは明確です。
愛着の問題を言い訳にしてはならないし、
その罪に向き合い、償い、
根本から更生しなければいけない。
これは強調したい。
けれど、
「確率」として、これが「現実」であることは否定できないので、
そういう状況にいる人たちを
色眼鏡で見ると言うことではなく、
「理解と支援のサポートが必要な家庭・人たち」
であるという認識を持って、
社会的課題に向き合っていかなきゃいけないんじゃないかなぁと思います。
もう一度書きますが、
僕は、幼い頃に貧困やいじめ、虐待、両親の不仲などを経験した人たちが、
犯罪者になる確率が高い、ということを言いたいのではありませんよ。
出来ることなら暖かい手をいつも差し伸べたい。
ただ、上記のような辛い経験は、
大人になる過程でその方の愛着の傷となって残り
生きづらさを抱えて何らかの問題を抱えてしまうことがあるということです。
当事者にいる人も、
そうでない人も、
「現実」はしっかり認識しないと、
残念ながら、悲しい事件は起き続けてしまうのですよね......。
僕が思う、愛着障がいを持ってしまう7つの原因です。
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1. 虐待および虐待的育児
2. 両親からの無条件の愛情と信頼の欠如
3. 親の不在、親との離別、保護者がいない状態
4. 両親の不仲
5. 親の精神疾患や病気
6. いじめ
7. 犯罪に巻き込まれた経験
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以上に心当たりがある人は、
脅すつもりは毛頭ありませんが(!!)、
気をつけられた方が良いです。
それは、
「台風が来るから備えましょう」とか、
「道の先に大きな穴があるから気をつけてください」
と同じことだと思ってもらえると嬉しいです。
僕は3つ当てはまっているので、
気をつけています(笑)。
居場所、味方、生きがい。
この3つを見つけることが備えになるのかなぁと思います。
というか......、
刑務所ではこのような更生活動を
当たり前のようにやっているのかと思っていたけれど、
映画によると、
【約4万人の受刑者のうち、本プログラムに参加できる人が約40人】
と書いてあって、実はそれが一番ビックリ!!
当然の帰結というか、
映画でも語られていたように、
このようなプログラムをされた人たちの再犯率は、
他の刑務所からの出所者と比べて、半分以下。
すぐにでも、このようなプログラムを導入してほしいと切に願います。
受刑者を救うだけでなく、被害者、そして加害者を増やさないためにも......。
僕が長らく取材・撮影をさせてもらっている依存症回復施設が、
最近、受刑者のためのキャリアスクールをスタートしました。
素晴らしい試み!
★ パワー・トゥー・ザ・プリズナー公式サイト
https://p2p.oneness-g.com/
監督・父
豪田トモ
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