約20年前のこと。
ありゃぁ、悔しかったなぁ......。
でも振り返ると、あの経験があるから、いまの自分がいる。
そんな出来事があった当時、
僕は29歳
(俺にもそんな若かりし頃があったんだ、笑)。
「映画監督になる!」という夢を叶えるため、
カナダにあるバンクーバーフィルムスクールに通っていました。
1年間、映画製作に関する、あらゆること、
映像やら脚本やら編集やら美術やらサウンドやら、
もう全部を学んで、
最後に、
「ファイナル・プロジェクト」として
それぞれがショートフィルムを作って、
卒業式が行われる地元の大きな映画館で上映するんです
(卒業式を映画館で、ってシャレてません??)。
僕は渾身の作品を作り上げ、
両親も日本からわざわざ呼んで、
ワクワクしながら卒業式当日に臨みましたよ。
特に父親には
映画の道に進むことは大反対されてたから、
「これが俺が作ったもんだ! どうだぁ見ろー!」って感じで(笑)。
しかし、雲行きが怪しくなったのがその数日前。
「時間的に全部上映できないから、
ファイナル・プロジェクトは、
投票で選ばれた5作品だけ流すぜ、ガイズ!」
と言われたんです。
最初から計算すれば分かるじゃん!
ってのがカナダらしいんだけど(笑)。
結論を書くと、
僕の作品は投票で
6位......。
この日のために頑張ってきたってくらいだったけど、
卒業式で僕の作品は、1秒も上映されなかったんです...。
1年間、異国の地で
英語もよう分からん中で、
ホントに寝る間も惜しんで
全力でがんばってきたのに、
わざわざ両親を日本から呼び寄せたのに、
自分が心血注いだ作品が上映されないなんて...。
相当な気合を入れて日本を旅立ったってこともあったから、
人生最大級に悔しかったスねぇ......。
晴れの日に、一人でブスっとしてた(笑)。
結局、その作品は、
卒業後に国内外でたくさん上映されて、
賞を取ることも出来たんですけどね。
やっぱり映画って、作っただけじゃダメなんだ。
見てもらって、
誰かの心を動かして、
その人の人生に一滴のしずくを垂らさないと、
ダメなんだ。
身を持って学びました。
でもね、
月並みな話に着地しちゃうんだけど、
逆に僕は、その悔しさをバネにしました。
というか、し続けた。
そして、いま、
日本でこうして作品を作らせてもらえている。
ちなみに当時、クラスメートは30名ほどいましたが、
今も映画関係の仕事につけているのは
僕を含めて5人くらいで、
監督をさせてもらえているのは僕だけ
(プロデューサーの奥さんに最大限の感謝!!)。
たとえ、
その「瞬間」に評価されなかったとしても、
厳しいことを言われたとしても、
諦めないこと。
顔を上げること。
自分を信じること。
振り返って、反省して、改善を目指すこと。
とにかく努力だけは誰にも負けないくらい、トライし続けること。
そして周りに相談すること。
そうすれば、
いつか努力が実を結ぶ時もあるかもしれない。
6位だったことでお分かりのように、
僕の才能は大したことないんです。
残念だし、悔しいけど。
でも、
僕は努力の男。
とにかくこれだけは負けない。
もちろん、運もたくさんある。
ちょっぴりくらいは才能らしきものも、あったのかもしれない。
でも僕は
ほとんど自分の努力だと思ってる。
そんなことを今の若い人たちに伝えたいと
お話させていただいたのが、
Y-SAPIX Global Campusのグローバルリーダーインタビューです。
英語ですが(wow!!)、
よかったらぜひお読みください。