もうなんで!? 勘弁してくれ!!
なんでこんなに小さくて可愛い存在が、暴力の被害に遭わないといけないの!?
福岡県中間市で3歳の息子を暴行して死亡させたとして、
先週5日、継父と母に、いずれも懲役12年の判決が言い渡された。
継父が日常的に暴力を加え、
母親もそれを容認した上で、自らも暴力を振るっていたそうです。
骨折や打撲などの怪我をさせられ、
暴行を繰り返された被害児童の愛翔(まなと)ちゃんは、
頭を殴られて多臓器不全で死亡......。
3歳だよ???
ふざけるな! としかもう言えないよ......。
少し前には大阪・摂津市で、
3歳男児に熱湯をかけて殺害したという事件が大きく取り上げられていましたし、
先月にも東京・大田区で、
1歳5カ月の男児に暴行を加えてケガを負わせた、というニュースがありました。
というか、
報道はもっとあるし、
報道になっていないのもあるし......。
統計上、
【児童虐待による死亡事件は、毎年50人前後発生】
しているんです。
つまり、
【週一で子どもが虐待によって亡くなっている計算に】
なる。
先々週も、
先週も、
今週も、
来週も......。
同じようなニュースを聞くたびに、
とても悔しくて、悲しくて、胸が張り裂けそうになりませんか?
どうして助けられなかったのか?
自分に何かできなかったのか?
なんでそんなことするんだよ!!と......。
でもね......、
非難するだけじゃ、
児童虐待は減らない
んですよね......。
何度かご紹介していますが、
【虐待が起こる原因は主に2点】に集約されます
(これはそれぞれ考え方ありますので
参考程度に聞いてください)。
【1. 孤独な子育て】
子育てを担っている保護者が、
パートナーや親、地域、そして社会から、
十分な理解とサポートを受けておらず、
心理的、社会的に、孤立していること。
子育ては可愛いだけじゃない。
大変なことも多い。
誰かに助けてもらわないと、
とてもじゃないけど、高い山には登りきれません。
でも、
子育てを担う人が孤立してしまうと、
必要な時に助けを求められず、
ストレスが溜まりすぎて、
虐待に至ってしまうこともあるのです。
もちろん、
虐待加害者が悪いことは間違いないですし、
周りのせいにしてはいけないんですが、
児童虐待を無くすために
社会として取り組めること、
と言えば、真っ先には
「保護者を孤立させない」
ということが最重要課題です
(これもこれで、サポートを受けたがらない人もいたりするので難しいのですが......)。
【2. 保護者が抱え続ける愛着障がい】
自身も、親から何らかの虐待を受けている、
もしくは、親から十分な愛情を受けずに育ち、
「愛着障がい」を抱えてしまっていると、
子どもに愛情と信頼を無条件で与える方法を
知らない場合があり、
いざ問題が起こった時に、
「自分がされてきた虐待的な接し方」しか知らない可能性が出てきます。
そうすると、
ストレスが溜まりすぎてしまった時や
精神的に不安定になった時、
子どもが泣き止まない、
ぐずりが止まらないなどの
対処が大変な状況になった時に
虐待的な子育てをしてしまうことがある、
ということはよく知られています
(もちろん、愛着障がいを抱える人が
すべて虐待的な子育てをするわけではありません)。
僕は、
【育児環境の改善は、虐待問題の改善につながる】
とも考えています。
このメッセージは、
これまで作ったすべての映画、
特に映画『ママをやめてもいいですか!?』には
強く、強く、込めています。
映画の上映を通じて、
「子ども虐待」への意識を高め、
保護者と子どもへのサポートを強化していく事が出来れば......
と願って始めた
「虐待防止キャンペーン」は、
今年で10年目を迎えます。
映画の上映に先立って、
虐待の原因と予防法などを主催者さんに語っていただくことで、
上映料金を割引にするプロジェクトです。
https://www.umareru.jp/everycinema/abuse-prevention.html
僕が映画を作り続けている理由の一つは、
「児童虐待を無くすため」と言っても過言じゃない。
そのためには、加害者を非難するだけじゃ、
サイクルは止まらない。
その原因を究明して、
社会として対策を立て、
予防をしていく必要があります。
今月11月は「児童虐待防止推進月間」です。
自分たちに出来ることは何だろう???
みんなで考えていきませんか?
もうホントに、児童虐待の報道は見たくないよ......。
監督・父
豪田トモ
個人的に、児童虐待防止に取り組む以下の団体を応援しています。