認知症をこれほど感覚的に伝わる形で、
見事に描き切った映画はなかったなーー!!
今まで認知症をテーマにした映画を見ていて、
「家族って大変そうだ!」と思ったことは何度もあるけれど、
「本人ってこんなに辛いんだ!」
と思ったのは、初めてかも。
例えば、主人公アンソニーがあなただとしましょう。
家の中で物音がするからドアを開けると、
見ず知らずの男性が座っている。
「あなたはここで何してるんですか?」と聞くと
「ここに住んでいる」と言う。
すかさずあなたは、
「何を言ってるんですか。ここは私の家ですよ」と返すと、
その男性は「あなたはいま、一時的にここにいるだけですよ、お義父さん」と困った顔をする。
困惑しますよね。
そして次の場面になると、この男性を全くの別人の役者が演じていて、
「お義父さん、ワインいかがですか?」
と言う。
どうなってんだ!!??
って感じですよね。
いや〜、こんな演出があったとは。
お見事です。
アンソニー・ホプキンスの演技が本当に素晴らしくて、
こんなにチャーミングな「ボケ老人(!)」は見たことがない。
彼を見るだけでも一見の価値がある
(と思ったらアカデミー賞を受賞してた!)。
多くの人にとって、認知症は
「いつかくるかもしれない課題」だと思いますが、
年老いた親がいる人にとっては、必見の映画。
もし、身近な人が認知症になった時、
きっとこの映画は助けになると思います。
監督・父
豪田トモ
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https://www.umareru.jp/everycinema/kodomokaigi-everycinema.html