人生は、まるでシャボン玉。
小さな粒から生まれて、ふわふわと浮かびながら、
美しく輝き、そして、消えていく。
それは、私たちにとっては一瞬の出来事。
でも、広い宇宙から見ると、私たちの人生も同じようなものかもしれません。
生きるって何だろう?
いのちって何だろう?
そして、
人生をともに歩く「家族」って、何だろう?
たったひとつで浮かぶシャボン玉はないように、
そこには、必ず、寄り添う家族がいる。
いのちといのちが出会い、新しい家族がうまれる。
新しいいのちが誕生すると、家族はうまれ変わる。
そして、
一つのいのちが旅立てば、遺された家族の世界もまた、うまれ変わる。
家族って何だろう?
家族と共に生きることは、人生にどんな意味があるのだろう?
そして、
幸せって何だろう?
初めて父親と息子が出会ったのは、息子がまだ2歳の頃。 息子は母と前夫との子どもで、父とは血のつながりがないステップファミリーだ。
早い段階で、自分を実の父親であると疑っていない息子に、事実を伝えるべきだと思う反面、迷う。
可愛い息子に愛着を感じるものの、「空白の2年間」が、「父親としての実感」を迷わせるのだ。また、本人自身、血のつながりのない父親に育てられたという経験も、彼に不安を抱かせていた。
「母親を奪われた」という気持ちから10年以上続いた、継父と葛藤。 思春期に浴びせていた「お前は本当のお父さんじゃない!」という言葉が、いつか自分に向けられるのではないか...
息子との親子関係に明確な自信を持てない父は、いつしか血のつながりのある子どもを望むようになる。
しかし、想いとは裏腹に、なかなか子どもはやってきてくれない。焦る夫婦は不妊治療を選択し、約一年、通い続けていた...
果たして、新しいいのちを授かることができるのか? 父は息子に事実を伝える事が出来るのか? 父と息子の関係はどうなるのか?
近年、離婚、そして子連れ再婚が増え、家族の形が多様化している。しかし、血のつながりを重視する社会で育って来た日本人にとって、無意識のうちに血を意識してしまう事もあり、家族関係に葛藤を抱えるケースが多いと言われる。
血のつながりのある者同士でさえ、苦労する「家族作り」。
血のつながりのない「仲間」たちが真剣に向き合う姿は、血縁関係のある家族にとってもハッとさせられる場面も多く、大きな学びの機会になるはずだ。
泣いたり、笑ったりしながら、血のつながりのない「我が子」との絆に向き合いつつ、同時に新しいいのちを迎える、ひとつの「家族」の物語。
新たな「仲間」を迎えようとする家族もいれば、愛する人を見送り、遺される家族もいる。
末期の大腸がんを患(わずら)っていた)妻は、1年間の闘病の末、『家族と一緒に過ごしたい』と自宅に戻り、残された時間を夫、2人の娘、3人の孫と過ごす事にした。
長女は、2人目の赤ちゃんを出産間近。
妻は4人目の孫を見るのを何よりも楽しみにしていた。
しかし、妻は家族全員に見守られる中、「家族に囲まれて幸せ」と嬉し涙を流しながら息をひきとった...
42年間、連れ添った夫の悲しみは深く、遺影に向き合い、涙する日々。
一人遺された夫は、どのようにして立ち直っていくのか?
いのちといのちが出会い、新しい家族がうまれる。
しかし、共に過ごせる時間はそれぞれ。
どの家族にも、いつか別れのときが訪れる。
長く生きていると、だれもが一度は、大切な人との別れを経験する。
多くの人は「自分が死ぬこと」を考えた事はあっても、「自分が遺されること」まで考えは及ばない。
しかしそれは、想像を絶する苦しみを持つ、「もう一つの死後の世界」なのだ。
大切な人を失った悲しみと向き合いながら、遺された家族で支え合い、生まれ変わっていく、ひとつの「家族」の物語。
長く一緒にいる家族との別れを経験する人もいれば、誕生から、毎日、死と向き合っている家族もいる。
18トリソミーという染色体の障がいを持って生まれてきた「虎ちゃん」は、1歳まで生きられる確率が約10%と言われてきた。
いつ亡くなるか分からない小さないのちを前に、父と母は日々悩みながらも、次第に笑顔を見せるようになった我が子の小さな成長に幸せを感じていた。
息子は「短距離走を全力疾走中」で「青春まっただ中」であると明るく答えられるようになったのも束の間、虎ちゃんが突然、危篤状態に陥る。
両親も「幸せの終わり」を覚悟するが...
果たして虎ちゃんは...?
人が産まれる事、生きる事は天文学的な確率である。
5千万とも1億とも言われる精子は、約72時間の寿命の間、人間に換算すると地球から月までの距離を泳ぎきり、月に一度しか会えず、約24時間の寿命しかない卵子と奇跡的に出会い、受精する。
妊娠できたとしても、出産まで至るのは、一説には約6割程度と言われ、原因不明の流産・死産は、私たちが想像している以上に頻発する。
一方、誕生後、一年以内に亡くなる赤ちゃんは約2,300人、2012年に亡くなった未成年は約6,800人にのぼる(厚生労働省調べ)。
「生きる」とはどういう事なのか?
「うまれる」事にどのような意味があるのか?
行き過ぎた資本主義、競争・ストレス社会、走りすぎて行く毎日を懸命に生きる私たち現代人にとって、かけがえのない一日を積み重ねていく虎ちゃんとその両親の姿から、感じられる事は多々あるはずだ。
死と向き合いながらも明るさを忘れず、毎日を懸命にそして前向きに生きる、ひとつの「家族」の物語。
ドキュメンタリー映画『ずっと、いっしょ。』は、
・血のつながりのない家族
・愛する人に先立たれる家族
・死と向き合う毎日を生きる家族
と、それぞれの事情に向き合う3家族の姿を通して、自分たちが生まれてきた意味や家族の絆、命の大切さ、幸せのあり方を考え、感じる作品。
重いテーマではあるが、「映画が終わった後にスキップしたくなる作品」、「重いテーマをスッと両手で持ち上げられる映画」作りを目指す監督・豪田トモは、暗くなりがちなストーリーを、笑いとたっぷりの涙で描ききった。
いのちと誕生を見つめ、70万人以上を動員した前作、『うまれる』(2010)の第二章として位置づけられる本作は、
「いのちが誕生した後」の「家族のつながり」
に焦点を当て、前作を超えるクオリティに仕上がった。
いのちとは、
家族とは、
生きるとは、
幸せとは、
人生を大切にするあなたにこそ、観ていただきたい作品である。
※本作に主にご登場いただいている方々には、出演承諾書にご署名の後、約1年間、撮影させていただき(虎ちゃんは約5年)、映画の内容をご確認いただいた上で公開させていただいております。
■不妊(症)産む意志と避妊をしない性生活がありながら2年以上妊娠しないこと。日本の10組に1組の夫婦が不妊に悩んでいると言われる。
原因が女性にある場合は41%、男性にある場合は24%、男女共に原因がある場合は24%、残りの11%は不明と言われている(恵比寿つじクリニック: 辻祐治院長)。
排卵因子、卵管因子、男性不因子は不妊症の3大原因と言われている。
近年は、妊娠はするものの流産・死産を繰り返してしまう「不育症」も注目されている。
★ 一般社団法人日本生殖医学会(http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa02.html)
■不妊治療
不妊状態を解消し、妊娠を目指す医療行為。
主な治療法としては、タイミング法、排卵誘発法、人工授精、そして体外受精や顕微授精などの生殖補助医療がある。順番にステップアップして行われることが多いが、状況によっては生殖補助医療からスタートする場合もある。
保険適用のものから自費のものまであるが、近年では保険適用外の治療でも国や自治体からの助成金も受けられるようになってきた(指定医療施設に限る)。
★ 一般社団法人日本生殖医学会(http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa08.html)
■ 体外受精
不妊治療のうち、体外受精(胚移植、IVF-ET)、顕微授精(ICSI)、凍結胚・融解移植の3つは生殖補助医療(ART)と呼ばれ、医療技術の発達に伴って、近年、選択できるようになった新たな方法。
体外受精(胚移植、IVF-ET)は、卵子を体外に取り出し(採卵)、精子と共存させることにより得られた受精卵を、数日培養後、子宮に移植する(胚移植)治療法。「胚」とは「受精卵」のこと。
採卵に至るまでには定期的・継続的に薬やホルモン剤などを使用しなければならない等、身体への負担が大きいため、通常は一度の採卵で出来る限り多くの受精卵を作り、次回以降のために凍結して保存しておくよう努めることが多い。
顕微授精(ICSI)は、体外に取り出した卵子の中に、細い針を用いて精子を1匹だけ人為的に入れ受精させる治療法。
凍結胚・融解移植は、体外受精を行った時に得られた受精卵を凍結して保存しておき(凍結胚)、その胚をとかして移植することによって(融解移植)、身体に負担のかかる採卵を避けながら、効率的に妊娠の機会を増やすことを目指す。
体外受精および顕微授精と混同しがちな「人工授精」は、女性の子宮内に精子を注入する治療法。受精そのものは、あくまでも卵子と精子の自然な出会いに委ねられる。
日本では、毎年約2万人の子供が、治療法のひとつである体外受精によってうまれているというが(2007年現在)、体外受精、顕微受精などの生殖補助医療による妊娠率は20%前後と言われる(各クリニックや情報源によって異なる)。
体外受精は保険適用外であるため、一回の費用はおよそ三十万円からのクリニックが多く、医療技術が進歩した一方で、精神的、経済的に大きな負担がかかる。
★ 一般社団法人日本生殖医学会(http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa11.html)
■妊婦健診
安心・安全な出産のため、妊婦さんやお腹の赤ちゃんの健康状態を定期的に確認すること。
尿検査、血液検査、体重測定、血圧測定、腹囲・子宮底長測定、浮腫(むくみ)検査、超音波検査、内診などが行われるが、医師や助産師などに妊娠・出産・育児に関する相談をし、安心して妊娠期間を過ごす事も大切。
妊娠初期から妊娠23週までは4週間に一回、妊娠24週から妊娠35週までは2週間に一回、臨月(妊娠36週以降)は週に1回行われる事が多い。
妊婦健診は任意であるため、妊婦健診を受けずに陣痛が始まってから救急車などで病院へ運ばれる例があるが、病院側はそれまでの経過が分からずリスクの高い出産になる可能性がある事、既にたくさんの妊婦さんがいる事などから、受け入れ先がなかなか見つからない事がある。
(監修:池川明・池川クリニック)■ 流産・死産
お腹の中の赤ちゃんを亡くすこと。
医学的には妊娠22週未満を「流産」、妊娠22週以降を「死産」と言うが、行政では妊娠12週以降を「死産」とするため、妊娠12-22週未満は「流産」と「死産」が同居する。医療技術が発達し、世界で最も安全にお産ができる国のひとつと言われる日本でも、厚生労働省の2005年の統計によると、周産期死亡率(妊娠満22週以後の死産+早期新生児死亡で定義)は出生1,000あたり3.3(約0.33%)となっており(アメリカは7.0、イギリスは8.5)、厚生労働省の2008年の統計によると、全出生数1,070,025に対し、死産数(妊娠12週以降)は12,214と、約1.1%となっている。
(監修:池川明・池川クリニック)■ステップファミリー
親の再婚などによって継子(けいし)と継親(けいしん)の関係が生じた家族。新しいカップルのどちらに(あるいは両方に)別の相手との子どもがいたか、そのカップルに新たに子どもが生まれたか、などの点で多様な家族状況が含まれる。
日本でも離婚・再婚の比率が上昇したため、近年ステップファミリーが増えたと推定されている。しかし、ステップファミリーが初婚の家族といかに違うかという点については社会の理解が進んでいない。そのためステップファミリーも標準的な初婚核家族(父と母と子ども)のようになることを目指しがちで、継親がすぐに「親」になり代わろうと焦ったり、子どもがそれに抵抗したりすることで家族関係に緊張が生じることもある。
離婚率が早い時期から高い水準にあったアメリカやヨーロッパなどでは、ステップファミリーは多くの人が直接・間接的に経験する一つの家族のかたちになっている。
(監修: 野沢慎司・明治学院大学教授)■養子縁組
血縁関係とは無関係に人為的に親子関係を発生させること。この関係によって設定された親子関係のうち、親を養親(ようしん)もしくは育ての親、子を養子(ようし)もしくは単に「子ども」という言い方をする。
日本の現行の民法における養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組と二種類ある。
普通養子縁組は、養子と実親(産みの親)との関係は残り、戸籍上、養親(ようしん)との関係は「養子」と記載される。
特別養子縁組は、養子と実親(産みの親)との関係は、戸籍上なくなり、実子と同じ扱いになる。貧困や捨て子など産みの親による養育が困難または不適切と裁判所が調査し、その縁組が子どもにとって適切であるかを見定めたうえで成立する。原則として6歳未満の子を「実子」扱いにするときに適用される。
戸籍上は養親との関係は「長男」など実子と同じ記載がされるため、養子であることが分かりにくくなっているが、「817条の2による裁判確定に基づく入籍である」という内容の記載がされるため、自分が養子であること、産みの親が誰であったか知ることができるようになっている。
日本で行われる養子縁組は離婚後の再婚に伴う連れ子の養子(ステップファミリー)と、相続税の節約を図る節税養子や、男子に家を継がせるためのいわゆる婿養子が多い。
ちなみに、養子縁組制度と混同しがちな「里親制度」は、様々な事情で親と暮らせない18歳未満の子どもを一般の家庭で育てていくためのもので、戸籍上の関係もなく、親権も有しないため、養子縁組制度と大きく異なる。
(監修:早野俊明・白鴎大学教授)■真実告知
血縁の子のように接する子どもに、血縁の親は別のところに存在する(した)という事実を子どもに伝えること(ただし「真実告知」ではなく「テリング」と言うなど、養子縁組団体によって名称が異なる場合もある)。
早い段階から真実告知するのがよいと考えられるようになったのは、血縁の親の存在を子どもの人生から奪わず、継親や養親(育ての親)など、多様な大人が同時に子どもに関わる家族のかたちも社会に認められるようになってきたためである。
2002年から約4年間、カナダのバンクーバーで映画製作をしていた監督の豪田トモは、家族の多様化が進むカナダ社会で、事実に基づく家族関係の大切さと、告知をしなかった場合の成長後のリスクの大きさを学ぶ機会があり、こうした家族観の変化を支持している。
(監修: 野沢慎司・明治学院大学教授)
■18トリソミー
18番目の染色体の重複による染色体異常症で(ちなみに、21番トリソミーは「ダウン症」と呼ばれる)。誰にでも偶発的に起きうる。
母親のお腹の中にいるときからの成長障害、生まれてきたあとの重度発達遅滞、先天性心疾患等の合併症を発症することが多い。
出生後の医療ケア・ガイドラインが整備されつつあり、近年では出生直後から適切な医療ケアを受ける機会が増え、1歳までの生存率もずいぶん上がってきている(以前は10%前後と言われていた)。
「完治」する治療法はなく、口から栄養分を摂ることができなかったり、立つことも話すこともできないなど、一生涯に渡って完全介護が求められる場合が多いが、子どもによって症状は大きく異なる。
■在宅医療
在宅で行う医療のことで、医師の他、看護師、薬剤師や理学療法士(リハビリ)等の医療従事者が、ケアマネジャーやホームヘルパー、行政等と連携しながら患者の自宅に定期的に訪問して行う。在宅医療を行う医師を通常、「在宅医」と言う。
医療施設での効果的な治療が困難な場合や患者が通院困難な場合などに選択されるが、広義には薬を飲むなど日常生活を送りながら自宅で行う医療はすべて在宅医療ともいえる。
家族と共に過ごし、日常生活を送りながら医療行為を受けられるため、患者の満足度は高いと言われる。
家族の「介護」が必要条件になるものの、近年は行政による在宅医療が整備されてきたため、家族の負担が減り、家で旅立つ人も増え始めている。
1950年代は約8割の人が自宅で亡くなっていたが、医療技術の進展、医療機関の整備に伴い、現在は約8割の人が病院で亡くなるようになった。
近年、医療費が国家予算を圧迫している事や、近い将来、団塊の世代が旅立つ時期には病院が足りなくなると予想される事などから、厚生労働省は在宅医療を推進し始めている。
(監修:小澤竹俊・めぐみ在宅クリニック)★ 一般社団法人全国在宅療養支援診療所連絡会(http://www.zaitakuiryo.or.jp/zaitaku/)
■納骨式
納骨式とは、遺骨をお墓に埋葬する儀式のこと。
市町村役場に死亡届を提出した時に発行される「火葬・埋葬許可証」を持参して行われる。
時期に明確な決まりはないものの、葬儀が終わり、遺族も落ち着いた忌明けの後に行われるのが一般的。
納骨は、主に公営・民営の霊園か、寺院内にある墓地で行われることが多い。寺院の中には、コインロッカー式の納骨堂や後継者を必要としない永代供養墓を持つ寺院も増えてきている。一方で、最近では、従来の墓に拘らない樹木葬や散骨といった新しい形の弔い方も増えてきている。
キリスト教や神式で納骨される場合は、必要な準備も異なる。
埋葬の方法は、「骨壷に入れて埋葬」、「納骨袋に入れて埋葬」、 「土に撒く」など各地域や家庭によって様々で、納骨式の後に会食をするかどうかも各家庭によって異なる。
■グリーフ・プロセス
親やパートナー、子どもなど、大切な人を亡くした遺族が、現実を受け止めて日常生活を回復していくまで、ある一定の精神的プロセスを歩んでいくという考え方。
「グリーフ・プロセス」について最初に注目を浴びたのは、スイスの精神科医エリザベス・キューブラー・ロスで、末期患者約200人へのインタビューの中から浮かび上がって来た、死の受容のプロセスを5段階に定義し、著書の「死ぬ瞬間」で表した(ただし本書では「亡くなった後の遺族」を主体としたものではなく、「死に近づいている人」の「グリーフ・プロセス」について語られている)。
多くの人が経験する「グリーフ・プロセス」をいかにして歩むかによって、「残された人生」の密度は大きく異なり、ロンドンの聖クリストファー・ホスピスの顧問であったコリン・マレイ・パークスらによれば、54歳以上で妻を失ったイギリス人男性4,486人について調査した結果、彼らが妻の死後6ヶ月以内に死亡する率は、同年代の既婚男性に比べて40%も高かったと言う。
「グリーフ・プロセス」の段階数については様々な考えがあり、日本で「死への準備教育」に最も影響を与えたと言われるドイツ人牧師アルフォンス・デーケン氏は12段階を提唱している。
「グリーフ・プロセス」において必要と思われる精神的支えは「グリーフ・ケア」と言われ、家族だけでなく、親友や婚前パートナー、お腹の赤ちゃん、ペットなど深い「愛」を感じていた相手を失った者には、「グリーフ・ケア」が必要と言われる。
監督の豪田トモは、様々なグリーフ・プロセスの取材・撮影を通して、「グリーフ・ケア」に必要な要素を、Support(支え)・・・家族・友人などの絶対的な精神的支えを受けること、Expression(表出)・・・話す、泣くなどにして身体の中にある悲しみ・苦しみを何らかの形で表に出すこと、Will(意志)・・・自分自身が現状を変えたいという意志をもつこと、の主に3つあるとして、頭文字を合わせて、「SEW」(英語で「縫う」という意味、ソーと発音する)、「悲しみを受け入れて、新しい人生を縫い合わせる」という考え方を提唱している。
(監修:小澤竹俊・めぐみ在宅クリニック)■帝王切開
子宮切開による外科手術で赤ちゃんを誕生させる出産方法。主として、お母さんもしくはお腹の赤ちゃんに生命の危険性があるなど、経腟分娩(腟から産まれる通常分娩)が困難な場合に適応される。
現在の日本では約20%程度の赤ちゃんが帝王切開で産まれると言われるが、帝王切開を経験した女性たちの中には、「自分の力で産めなかった」「産道を通らない子どもは強くならない」と言われるなど心の傷を受けている人が少なからずいると言われ、パートナーや医療従事者とのコミュニケーション、フォローが求められる。
(監修:池川明・池川クリニック)
前作『うまれる』の「続編」ではありません。
命・家族・絆というテーマは一緒ですが、前作にご登場いただいたご家族のうち、松本虎ちゃん家族以外は本作には登場されておりません。
2040年まで継続予定の『うまれる』シリーズの第二章という位置付けのもと、 新たな登場人物と新たなモチーフによって製作いたしましたので、
前作の『うまれる』をご覧いただいた事のない方でも、 十分、楽しんでいただけます。
ご参考: 「【赤ちゃんにやさしい国へ】映画『ずっと、いっしょ。』を観る前に読んでもいいし、観た後に読むとまたいい豪田監督インタビュー記事」
映画『ずっと、いっしょ。』をご覧いただいた皆様へ
昨今、インターネット環境が整い、さらにFacebookやTwitter、ブログ等が急速に普及したことに伴って、個人による情報の発信や検索がかつてないほど容易になっています。
これは素晴らしい事ではあるのですが、一方で、「見えない個人」による誹謗中傷などで深く傷つき、人間不信に陥る方も増えております。
ドキュメンタリー映画を私たちが製作していく上で、ご登場いただいた実在の方々が傷つく事のないよう、私生活が乱されることのないよう、どう「お守り」していくかという命題については、数年前とは大きく異なり、真剣に考えなければならない状況となっています。
映画に登場されるのは「自分たちの経験が多くの方のお役に立てるのなら、、、」と高い志、勇気、責任を持ってご登場いただいた実在の人物であり、映画が公開された後も、彼らの人生は続いていきます。
特に、登場者の中にはお子さんもいらっしゃいますので、映画によってマイナスの影響を受けることのないよう、映画をご覧いただいた皆様には、以下の4点につきまして、ぜひご協力いただきたく思っております。
映画『うまれる』シリーズ
監督・豪田トモ他スタッフ一同 |